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男性更年期障害かも?不安になったら実践したい、専門医推奨のストレス解消法

―[男性更年期障害]―

セロトニンは“幸せホルモン”

「以前より根気がない、集中力が途切れやすくなったと感じている」「最近イライラすることが増えて、対人関係でのトラブルが増えた」。  こんな症状に自覚がある諸兄は、男性更年期障害かも!? 大阪府で運営する「男性更年期外来」に、北海道から九州まで患者さんが殺到する医学博士であり内科・循環器・性機能専門医である石蔵文信氏に話を聞いた(以下、「」内のコメントはすべて石蔵医師)。 男性更年期障害「男性更年期障害の主因は精神的なストレス。男性ホルモンの分泌量低下は直接的な原因ではなく、単なるイチ症状です」という説を唱える石蔵医師は、ストレスと男性更年期障害の関係を考えるにあたり、カギの1つとなるのが「セロトニン」だと語る。 「セロトニンは実際ホルモンではありませんが、“幸せホルモン”や“癒やしのホルモン”と呼ばれる、脳内で働く神経伝達物質のひとつです。感情をコントロールする扁桃核(へんとうかく)や、思考・判断など高度な脳機能を担う大脳皮質にもセロトニンが多く存在し、喜怒哀楽をコントロールして気持ちを穏やかに保つなど、精神の状態に深く関わっています。年齢とともに生産量は低下すると言われています」  セロトニン量が低下すると、どうなるのか。 「集中力や判断力が低下して、疲労感が強くなります。その結果、根気も忍耐も尽きて、頑張ろうにも頭や体が思うように動かず、思考は短絡的になり、イライラして怒りっぽくなります。これが抑うつ状態で、『以前より根気がない、集中力が途切れやすくなったと感じている』『最近イライラすることが増えて、対人関係でのトラブルが増えた』などが該当します。

ストレス解消法「コーピング」

 この状態がさらに続くと、思考力が衰えて気力や意欲が失われ、なにもできない自分は世の中に存在している意味がないと考え、漠然と『世の中から消えたい。死んでしまいたい』と思うようになります。これがうつ病です」  精神的ストレスがうつ病にもつながってしまうとは、ゆゆしき事態。深刻な症状に陥る前に、気軽にできるストレス解消法があるという。それがコーピングだ。 「コーピングとは『対処する』という意味で、私は療法としては『ストレス対処法』と表現しています。手法はいくつかありますが、代表的な『100のリスト書き出し』を試してみてください。以下、3ステップになります」 1.ストレスを感じたとき、自分が「こうしたい」と思う発散法を100個書き出す 「100個も書けないと想うかもしれませんが、書き出すと意外にさっと書けるものです。『◯◯店のラーメン大盛りを食べる』『◯◯の音楽を聴く』など、日常でたやすく実践できそうな事柄を挙げてください」 2.実際にストレスがたまったと感じたときに、1のリストのいくつかを実践する 「仕事の締め切りがある、商談があるといった『頑張らないとならないストレス』の場合は、興奮を鎮めるための方法を。ウォーキングを20分する、音楽を聴くなどが有用です。 『我慢するストレス』の場合は、ランニングをする、1人カラオケに行くなど、気分をアップする方法が効果的です」 3.対策を実践して、ストレスが軽減したかどうかを自己判断する 「自分の感覚でいいので、『ストレスが20%にまで減った』など、割合を意識して記録しましょう。リストを実践すると、自然と自分にとってのストレス発散、軽減法が自覚でき、身につけることができます」
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考えずにできる「石蔵流コーピング」
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うちの・さくら。フリーインタビュアー、ライター。2004年からフリーライターとして活動開始。これまでのインタビュー人数は3800人以上(対象年齢は12歳から80歳)。俳優、ミュージシャン、芸人など第一線で活躍する著名人やビジネス、医療、経済や一般人まで幅広く取材・執筆。趣味はドラマと映画鑑賞、読書

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