熱海の土砂災害現場で注目された災害救助犬は真のエリート/小笠原理恵「自衛隊の“敵”」
被災者以上のつらさを救助隊が経験することに美徳を感じる風潮
せっかく買った災害派遣用簡易ベッドを使ってください!
2020年1月4日の日刊SPA!に「自衛隊員「雑魚寝」問題に光――補正予算でベッド9900個購入へ!」という記事を書きました。このときに補正予算で災害派遣用の簡易ベッドが大量に買われ、実際に災害派遣で使われました。9900個という数は全自衛隊員にはいきわたりません。だから、災害の発災現場近くに簡易ベッドが保管されていなければ災害派遣に使えないのではと心配していました。でも、近くに簡易ベッドがあっても災害派遣で使わず封印されているものが多いと聞き、疑問に思っています。
この災害派遣用に買われた簡易ベッドの災害時使用許可がおりないそうです。災害派遣で使えば泥だらけで破損することもあるため、大事にしすぎて使えないのです。雑魚寝のような劣悪な環境を改善するために買った簡易ベッドなのですから、使ってください!
自衛隊は予算が足らず、新品の状態で保管したいという事情は想像できます。自衛隊では買ったものが壊れても修繕や買い足す予算はなかなか出ません。だからある程度のまとまった数のものは非常時、有事に残しておきたいのでしょう。「欲しがりません。勝つまでは」という言葉は、敗戦末期に日本で唱えられたスローガンです。これで日本は戦争に負けました。私たちは同じ間違いを繰り返してはいけません。
「欲しがります! 次は勝つんで!!」
これをスローガンに装備品は補充してもらえる自衛隊に変えましょう。しっかり休養を取り、力いっぱい 自衛隊員も災害救助犬も働ける環境になればいいですね。
<文/国防ジャーナリスト・小笠原理恵>
―[自衛隊の“敵”]―
おがさわら・りえ◎国防ジャーナリスト、自衛官守る会代表。著書に『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)。『月刊Hanada』『正論』『WiLL』『夕刊フジ』等にも寄稿する。雅号・静苑。@riekabot| 『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』 日本の安全保障を担う自衛隊員が、理不尽な環境で日々の激務に耐え忍んでいる…… ![]() ![]() |
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