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感染が続く東京五輪、水際対策は大丈夫なのか。手際の悪さにウンザリの声も

厚労省からの緊急電話。その内容は……

 その後、厚生労働省が用意したバスで隔離施設のビジネスホテルに到着した坂井さん。ホテルでもまた一悶着あったという。 「ホテルの部屋に電話が来て、フロントから厚生労働省に電話するように言われたんです。部屋の電話から掛けようとしたのですが、外線に繋げることはできないと言われました。携帯電話はタイで契約したものしか持ってきていなかったので、厚労省の職員にスマホを貸してくれないかと頼んだんです。  スマホが部屋に届いたのは、それから1時間後。スマホ1つ貸すのにも消毒しないといけないのは分かるのですが……。厚生省に電話してみると、空港で書類に記入したはずの僕の生年月日が間違っていないかの確認だったんです。そんなことでいちいち電話させるなよ……と思いましたね」

日本のお役所らしい面倒くささばかりが目立つ

弁当

隔離中に配給される食事がこちら。帰国者から不満が続出しているとか

 その後、3日間後の再検査で陰性となった坂井さんは自己隔離に入ることに。公共交通機関は一切使えないため自費で2万円を支払い、帰国者送迎ハイヤーを利用して羽田空港からほど近い宿に移動した。隔離先の宿には海外帰国者との了承を得ており、現在は食材の買い物などある程度の外出はできるようになったというが……。 「自己隔離になっても毎日体温を測り、健康状態をアプリで厚生省に報告しなければいけないんです。さらに入国時にスマホにインストールした位置情報アプリで1日に何度も位置情報を報告しなければなりません。  アプリは入国時に3つインストールさせられて、他にはビデオ通話で1日1回通知が来て現在位置を報告するものがあります。この隔離が終われば九州に帰ることができるのですが、3回もPCR検査を受けさせるのであれば入国時にワクチン接種をしてくれたほうがよほど効果的だと思います。  先日、知り合いがアメリカ出張したときに入国時に空港ですぐにワクチン接種できたと言っていました。今回の帰国で日本の水際対策に対してザルとまでは言いませんが、日本の役所らしい面倒臭さを感じましたね」 「厚生省の水際対策は日毎に変わるので、一概には言い切れない」と坂井さんは話す。無観客開催になったとはいえ、多くの外国人関係者が訪日する。坂井さんの言う通り、海外からの入国者はワクチン接種を義務づける対策を行うほうが、よほど安全なのではないのだろうか。 取材・文/日刊SPA!編集部
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