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感染が続く東京五輪、水際対策は大丈夫なのか。手際の悪さにウンザリの声も

五輪直前にタイから帰国した日本人に話を聞いてみた

入国

写真はイメージです

 東京五輪でやって来た海外からの代表選手やスタッフの新型コロナの感染が次々と発覚し、日本の水際対策に不満を感じる日々が続いている。報道やネットで言われている通り、日本政府のコロナ水際対策は本当にザルなのだろうか。五輪直前、政府の水際対策はどのような現状なのか、7月上旬にタイ・バンコクから帰国した坂井雄一さん(仮名・40代)に話を聞いた。 「タイでは2020年3月に非常事態宣言が発令して以来、今回で12回目の延長措置となりました。たび重なる延長で県外への移動を制限されるロックダウンが続いています。  海外に住む日本人に給付金などは一切なく、勤めていた会社も今年3月で契約終了になりました。バンコクに住んでいた日本人の知り合いもほとんど帰国してしまい、今、タイにいる意味があるのかなと思い帰国することにしたんです」

福岡に行くために中国経由で!?

 坂井さんが帰国を決意したのは今年の5月。ひとまず、実家の九州に帰ろうと福岡空港行きのフライトを予約しようとしたという。 「6月前半に航空券を調べたときは福岡行きの便は飛んでいたんです。でも、それから2週間ほど経った頃に予約しようとしたら欠便になっていました。外務省に電話して福岡に行くためにはどうすればいいのかと尋ねると『中国経由なら行けるんじゃないですか』との返答が。  でも、そのときに中国の水際対策がどうなっているか予測できないし最悪、乗り継ぎできなくなるかもしれないじゃないですか。それを伝えると『まぁ、そうですね』となんとも曖昧な返事をされました」  さらに、坂井さんは帰国時に厚生労働省が指定するホテルで3日間の隔離後、11日間の自己隔離が必要となる。乗り継ぎはリスクを背負うと感じた坂井さんは、関西空港へ飛び大阪で2週間の隔離の後に実家に帰ることを考えた。 「しかし、大阪行きも欠便になってしまい羽田行きの便しか選択肢がなかったんです。LCCとか他の航空会社では予約できるのかもしれませんが、私が帰りたい日に飛んでいたは羽田行きのみ。仕方なく羽田行きのフライトを予約したときは、すでに6月中旬。帰国まで2週間しかなかったので慌ててパッキングしました」
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出国はスムーズ、だが入国は……
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