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火山専門家が警告「富士山噴火の予兆発生回数は、20年前より10倍増えている」

富士山では月100回以上頻発している低周波地震

噴火直後の御嶽山

噴火直後の御嶽山

 では、富士山噴火を予測させる現象は、現在起こっているのだろうか。 「実は、2000年の秋ごろから、富士山の予兆といわれる低周波地震が月に100回以上起こっています。この頻度は、以前に比べると10倍ほど高い。幸いなことに、年明け以降、低周波地震の活動が止んでおり、富士山の地下でマグマが無理やり地面を割って上昇してくる様子はありません。その後、富士山の20年にわたる地震観測では起きていないのですが、いつ活動を再開しても不思議ではありません。決して、油断はできないのです」  現在は落ち着いているとはいえ、300年もの長いあいだマグマを溜め込んだ「噴火スタンバイ状態」の富士山では、いつ「噴火の予兆」が始まるとも限らない。自衛のためにも、もし富士山が噴火したらどうなるかというシミュレーションを、各自が行っておくことは最低限必要な防災対策と言えるのかもしれない。 鎌田浩毅(かまた・ひろき)  1955年生まれ。東京大学理学部地学科卒業。現在は京都大学レジリエンス実践ユニット特任教授・京都大学名誉教授。内閣府災害教訓継承分科会委員、気象庁活火山改訂委員、日本火山学会理事、などを歴任。日本地質学会論文賞受賞(1996年)。「京大人気No.1教授」の「科学の伝道師」。著書に『富士山噴火 その時あなたはどうする?』(扶桑社)、『富士山噴火と南海トラフ』『地学ノススメ』(ブルーバックス)、『火山噴火』(岩波新書)、『火山はすごい』(PHP文庫)、『もし富士山が噴火したら』(東洋経済新報社)など。鎌田浩毅のホームページ
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