火山専門家が警告「富士山噴火の予兆発生回数は、20年前より10倍増えている」
熱海の土砂災害をはじめ、自然災害が相次ぐ昨今。そんな中、新たな災害リスクとして浮上しているのが「富士山噴火」だ。ここ20年ほど前から富士山噴火の予兆とされる「低周波地震」がときおり発生しており、火山専門家の間では危機感が募っているという。そうした富士山噴火のリスクを解説した『富士山噴火 その時あなたはどうする?』の発売を控えた京都大学特任教授・名誉教授の鎌田浩毅氏にその真偽を聞いた。
ここ十数年ほどの間、多くのメディアで富士山噴火の可能性が取り沙汰される機会が増えている。その要因は、富士山の地下深くで起きている「低周波地震」にある。そもそも「低周波地震」とはどんなものなのか。火山研究者の鎌田浩毅氏はこう語る。
「低周波地震は、非常に小さな地震です。近くに住んでいる人も感じられないので、微弱な地面の揺れも逃さず記録できる地震計を用いて初めて観測できるようなもの。この地震は、火山の中で、しばらく休んでいたマグマの活動が始まったときに起きるとされています」
「低周波地震」は、我々が日常で経験している「有感地震」と呼ばれる高周波の地震とは違い、地下にある液体など何かがユラユラと揺さぶられた場合に起こるのが特徴だ。そして、富士山では、この低周波地震が、山頂の地下 15キロメートルくらいの位置にあるマグマだまり上部でときおり発生しているという。
「富士山でこの低周波地震が起きた場合は、火山の研究者がまず考えるのは『これがマグマの動きと関係している場合、将来の噴火につながるかもしれない』ということです。だから、低周波地震が観測されたときは、一瞬緊張しますね。さらに言えば、富士山で起こる低周波地震は、富士山の噴火予知の際に最初に活用されるものでもあります」
低周波地震は、いわば噴火の予兆ともいえる存在なのだ。
火山の予兆ともいえる「低周波地震」とは
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