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遂にミッドナイト・ボートレースが開催。最終レース発走時間や概要を徹底解説

昔はファンの奪い合いを意識する理由があった

 だが、昔からのファンにすると「奪い合い」は当然のことだと思っている。それは馬券・舟券・車券を買うためにはレース場か専用場外に行くのが当たり前だったからだ。競馬を打ちたければ、競馬場か競馬の専用場外に行く、といった具合で、足を運んだら最後、もうその1日は他競技を打つなんて考えは起きないだろう。  しかし、今はどの競技でもネット投票が売上の主である。どこにいようとも、スマホ1台あれば投票できる。実際に競馬場でスマホ画面からボート中継を見て投票する人や、競輪場でオートレースを投票する人も増えている。また、コロナの巣ごもり需要によって新たに公営競技に興味を持った方々はより自由である。昼は競馬、夜はボート、深夜は競輪と、競技の境目など一切気にしない新世代が生まれている。  もはやネットの世界においては「どの競技が」と分けて考えないファンが増えてきているのだ。1日中楽しめるレース・スポーツで、かつ投票することもできる新しいネットコンテンツとして公営競技は存在しているのである。また、場外売り場でも複数競技を扱う売り場が増えてきている。ネットだけではなく、リアルでも融合が進んでいるのだ。

公営競技ネット中継は生番組でトップクラスの視聴者数がいる

 知らない人にとっては意外かもしれないが、Youtubeでの生配信における同時接続数、通称・同接数も、人気の配信に混じってボートレースをはじめ公営競技の生配信番組が上位にランクインするのは日常となっている。リアルタイムランキングサイトを見れば、Vtuberの配信に混じって、ボートレース中継などの公営競技番組がランクインしているのである。タダで見られるスポーツ中継として、公営競技は日本一の生配信コンテンツに成長している。  この状況で、ファンの奪い合いという浅い考えはもう捨てたほうがよい。他競技から興味を持ってくれたファンが、そのまま興味を広げてくれて今があるのだ。全ての公営競技を配信解説してきた筆者としては、ファンの方々にも「競馬が一番おもしろい」とか「ボートしか勝たん」ではなく、仲間だと思って公営競技全体の発展を応援してもらいたい。また、運営する側の方々も、ぜひ協調路線をとっていただいて、打つ人も、見る人も楽しめる日本の文化として発展していってほしいと願ってやまない。 文/佐藤永記
公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
Twitter:@signalright
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