ニュース

マカヒキだけじゃない。競馬史に残る復活劇ベスト5

古馬になってからの屈腱炎に屈せず8歳で復活したホッカイルソー

第2位 1999年 オールカマー ホッカイルソー  ホッカイルソーはフジキセキやタヤスツヨシと同期の牡馬。決して目立つ存在ではなかったが、デビューから着実に勝ち星を重ね、クラシック戦線でも皐月賞4着、ダービー4着、菊花賞3着と安定した走りを見せていた。  古馬になってからも安定した走りは健在で、天皇賞(春)ではサクラローレル、ナリタブライアンに次ぐ3着。中長距離路線で欠かせない存在になりつつあった。だが、その後キャリアは暗転する。屈腱炎を発症、長期休養を余儀なくされたのだ。  今ほど医療技術が進歩していない20世紀の競馬においては「屈腱炎=引退」が相場。ほぼ確実に競走生活を絶たれる、不治の病に近かったのである。実際ホッカイルソーもその後3年近くレースに復帰することができず、通常なら引退も考えられるところだった。だが、スタッフの懸命な努力により、ついに1999年の3月、中山記念で復帰を果たしたのであった。  もっとも復帰できたとはいえ、かつての安定した走りは鳴りを潜めていた。それもそのはず、既に8歳馬(現在の表記で7歳馬)。今ほど競走生活が長くなかった当時において、この年齢はいわばおじいさんに近く、同期のほとんどの馬が引退していた。

レースごとに復調の気配を漂わせる

 それでもホッカイルソーは不屈の精神で走り続けた。レースを使われるごとに徐々に復調気配を見せると、新潟記念で2着に食い込んだのち、出走したのがオールカマーだった。このときの1番人気はダイワテキサス、2番人気はダイワオーシュウ。ホッカイルソーは両ダイワに続く3番人気の支持を集めていた。  直線入り早めに抜け出しを図った人気のダイワ2頭だったが、外から猛然と追い込んで来る馬が一頭いた。それが、ホッカイルソー。最後は粘るダイワオーシュウを僅かに差し切り、見事3年半ぶりの復活勝利を挙げた。当時フジテレビの三宅アナウンサーは、「3年半ぶり!3年半ぶり!」と絶叫、感動的な復活劇に花を添えた。
次のページ
骨折からの復活劇は有馬記念
1
2
3
4
競馬予想ブログとしては屈指の人気を誇る『TAROの競馬』を主宰する気鋭の競馬予想家。12月5日に最新刊『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』(オーパーツ・パブリッシング)が発売になった。著書は他に『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(扶桑社)が発売中。
馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる

TARO氏が『馬券力』について徹底究明した一冊。


記事一覧へ
勝SPA!
おすすめ記事