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菅田将暉&小松菜奈も。「ここぞ」の場面で“直筆”にする効果とは? 結婚、離婚、引退、謝罪etc.

芸能人のコメントも「全文直筆」と「名前のみ直筆」がある

手紙 しかし、人によっては全文直筆の場合と、文面は印刷で名前だけが直筆のパターンがある。これはどのような理由が考えられるのだろうか? 「事務所がタレントに与える裁量や事務所の文化などいろいろな理由があると思いますが、文章を書いては直しを繰り返し、上司などにチェックしてもらうために共有することを考えた場合、パソコンやスマホを使った方が便利です。  なので、最終的に完成したものは、多くの人のチェックを通って印刷され、紙になります。そこにタレントが直筆でサインして『自分の言葉で書きました』という証となる。そんな流れがあるのではないでしょうか」  公式コメントを発表する際の事務所側の都合は理解しつつも、山本氏は「本当に誠意を伝えたいのであれば、文章が決まった後に手書きすれば良いとも言えますし、心理戦略的にも完成した文章を手書きで書くという方法が良いでしょう」と、やはり全文を手書きすることを推奨する。

字が汚いと逆効果になる場合も

 また、日本では「誠意を伝える時は手書き」という考え方が根付いており、それを怠ってしまった場合に批判される可能性があることも、多くの報告文が直筆でされる要因として考えられるという。 「手書きでなければならないという『あるべき姿』を裏切ってしまったことによる炎上は、SNSを見るとたまに起きています。例えば名古屋市の河村たかし市長が東京五輪ソフトボール日本代表の金メダルをかじって抗議が殺到した際に出した謝罪文。  あれは手書きだったにもかかわらず、乱雑な書き方や漢字で書くべきところをひらがなで書くなどしたことから、さらに炎上しました。これも『手書きなら丁寧に書くべきだ』という期待を裏切ってしまったことによるものです」  河村たかし市長の例からもわかるように、たとえ誠意を込めたつもりの直筆であっても、字が汚い場合は逆効果になってしまうこともある。 「実際、同じ文章でも字が綺麗かどうかで相手が受け取る印象が異なるということがわかっています。同じ文章を綺麗な文字で書いたグループと汚い文字で書いたグループで、そのレポートに対する評価にどのような変化が表れるか実験されたものがあります。  その結果、同じ内容でも文字が綺麗な方が文章の評価が高い・心がこもっている・温かいと評価される傾向にあることが分かっています。ご想像通りかもしれませんが、やはり字は綺麗な方が良いです」  こうした事実は就職活動などでも使えるという。近年、エントリーシートはデータで作成することも増えてきているが、やはり手書きの方が誠意が伝わるのだ。 「私も新卒の就活で本命の会社に送るエントリーシートは手書きで書いていました。エントリーシートや謝罪・感謝の手紙など、自分の気持ちを相手に伝える必要がある場合は、手書きの方が心理戦略的には良いと言えます」
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菅田将暉は「文字が太すぎる」と指摘されたが……
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