ふるさと納税、初心者でも失敗しない“返礼品”の選び方
自治体の魅力や特性をアピールし、地域活性化につなげるのがふるさと納税だ。地域ならではの特産品や工芸品などのほか、最近ではその土地でしか味わえない体験型返礼品も注目されている。また、総務省の発表によれば、2020年度におけるふるさと納税の寄付額は約6,725億円、寄付件数も約3,489万件といずれも過去最多を記録しているという。コロナ禍に伴う巣ごもり消費も相まって、ふるさと納税へのニーズが高まっている状況と言えよう。
ふるさと納税は2008年4月の地方税法等の改正後スタートし、今年で14年目を迎えた。返礼品を通して各自治体の魅力を伝えたり、地方創生の文脈から年々盛り上がりを見せる状況となっている。途中、自治体間の過度な寄付金集めが生じないよう、2019年には「返礼品は寄付額の3割までにすること」、「返礼品は地場産品に限ること」などをルールに定める法改正が行われた。
返礼品の基準が明確化されたことで、自治体側も地場産業の活性化を図る上で重要な返礼品の開発に、より注力するようになったわけだ。
ふるさと納税の返礼品におけるトレンドの変遷や直近の動向について、井田さんに伺うと「特産品や名産品といった、変わらずに人気なものがある一方、寄付者が返礼品を選ぶニーズが変化してきている」と話す。
「食品や農産物などその土地ならではの特産品は、今も昔も不動の人気です。一方でコロナ禍の長期化に伴い、返礼品の需要も多様化していると感じています。例えば、今年に入ってからは災害対策用のストック需要や、アウトドアブームの高まりから、ご当地名物の缶詰や瓶詰の返礼品が注目されています。さらに、緊急事態宣言解除の兆しが見えた頃から温泉の利用券や地ビールなどもニーズが高まっていますね。
ちょっと変わったところでは、パジャマやルームウェア、アロマ用品、花、観葉植物など、生活の質向上につながるものも、返礼品として寄付者に選ばれる傾向が見られます。寄付を通じた“応援消費”や、市販品よりもクオリティの高いものを選ぶ“プチ贅沢志向”が顕在化していて、返礼品の需要がコロナ前と比べてより多岐に渡っていると感じています」
また、近年ではクラウドファンディング型のふるさと納税を導入する自治体も増えているそうだ。通常のふるさと納税と違うのは、自治体に寄付したお金が何に使われるかをより明確に把握できるということ。
寄付金の使途が明確になっていれば、寄付者の安心感につながり、地域の取り組みを応援しようとする気持ちも強くなる。
「さとふるは、2018年5月からクラウドファンディング型のふるさと納税を始めていますが、着実に取り入れる自治体も増えてきていて、立ち上がるプロジェクトも多くなっています」
こうした返礼品の多様化はもとより、コロナ禍で生まれた巣篭もり需要や応援消費などに応えるため、事業者側の工夫も見られるという。
卸先が見つからなかったり、廃棄せざるを得なかったりする地場産品を活用し、通常よりも増量しての提供やコロナ前と比べて価格を下げるなど、少しでも地域の魅力や特産品を寄付者に届けたいと願う事業者も多いそうだ。
各自治体の返礼品を選ぶ際に便利なふるさと納税サイトは数多く存在するなか、利用率No.1のふるさと納税サイト(※株式会社インテージ調べ)が「さとふる」だ。
今回は同サイトを運営する株式会社さとふる 経営戦略室 広報グループの井田 尚江さんに、ふるさと納税の返礼品におけるトレンドの変遷や直近の動向について話を伺った。
コロナ禍で返礼品のニーズが多様化
寄付金の使途がわかるクラウドファンディング型ふるさと納税
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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