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前澤友作氏の「1億円腕時計」ってどんな時計? 腕時計投資家が解説

ロレックスやパテックフィリップとは違う文脈

RICHARD MILLE

リシャール・ミルRM-5102

 人気がある高級腕時計ブランドといえば、ロレックスやパテックフィリップですが、リシャール・ミルは、そういった高級腕時計とは違う文脈を歩んでいるといえます。そのため、中古相場の「値動きの激しさ」や、値上がりするといった観点では、評価しづらい部分があるといえるでしょう。  では、なぜ、世界中の富裕層がリシャール・ミルを好むのかというと、それは「富裕層になってみないと分からない文脈がある」のではと考えられます。一般人には理解不能でも、その世界に足を踏み入れると「なるほど」と思う現象は多々ありますが、リシャール・ミルの腕時計を選ぶという行為も、もしかしたらそれに近いのかもしれません。  ただ、1つ、リシャール・ミルの腕時計に対して、私が憶測で「ここが良い」と思える点があります。それは、“普段遣いできる1億円腕時計”といったポイントです。

普段使いに適した1億円時計

 パテックフィリップなどでも、定価レベルで1億円という腕時計は存在しますが、そういったモデルの多くは、“普段遣いには適さない”という内容です。多くの1億円腕時計は、複雑機構ムーブメントを搭載。「非防水」という内容であるなど、デリケートであるがゆえに、現実的には普段遣いしづらい側面があります。お金に糸目をつけないという方がいたとしても、「スイス送り修理で1年戻ってこない」などという状況が続いたら、普段遣いしたくないと思うことでしょう。  リシャール・ミルの1億円クラスのモデルにも、トゥールビヨンといった、通常では「デリケート」とされる機構が搭載されているのですが、そうでありながら普段遣いに耐えられるというのがリシャール・ミルの特徴だといえます。機械式腕時計は、シンプルな機械式でも、衝撃に弱く、テニスやゴルフをする際に装着するのはもってのほか。しかし、リシャール・ミルのトゥールビヨンは、テニスの試合でつけても大丈夫らしいのです。実際、ナダル選手が1億円のリシャール・ミルをつけて試合に望んでいます。  それに加えて、リシャール・ミルには「軽い」という特徴もあるわけで、何かと普段遣いできる機能を備えているといえます。ですから、1億円クラスの腕時計において、「普段遣い可能」というのは、リシャール・ミルだけといっても過言ではなく、そういった点が富裕層に好まれているのではないかと思います。
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盗まれる心配は?
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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