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“こどおじ”化する40代既婚男性。妻や子どもを巻き込み一家崩壊寸前

夫を甘やかせる義母の存在

テレワークで悩む男性 家に帰るなり「疲れた」「ひとりになりたい」と漏らす日々。妻としても夫を労ってあげたいと、部屋に食事を運んだことが始まりだった。  さらに、同居する義母の“甘さ”が、夫の「こどおじ」化に拍車をかけた。 「ある日、義母から『早苗さんって息子の母親みたいね』と言われたんです。手をかけさせてごめんね、と続くのかと思いきや、義母は『あの子は昔からそうだったの、マザコンね』と笑うんです。  夫からは聞いていなかったのですが、夫は中学時代に一時期、部屋に引きこもっていたことがあったそうです。それは仕方ないとしても、こういう状態を笑っている義母にかなり不信感を覚えました。はっきり言って、小さな子供より手がかかる。給与だけ渡されていればいいというものではない」  既婚者の「こどおじ」化は、コロナ禍で外出自粛が続いたことも原因のひとつとして挙げられるだろう。

田舎の実家に移住した結果、まるで夫が「出来の悪い不良中学生」に

 以前は関西に住んでいたが、コロナ禍で夫婦そろって仕事が完全リモート化。四国にある夫の実家に移住したというデザイナーの落合亮子さん(仮名・30代)が嘆く。 「実家に帰るなり、義母がニコニコしながら『息子の部屋はずっとそのまま残しておいたの』というので、なんとなく嫌な予感はしていました」(落合さん、以下同)  そこは四国地方中央部の山間地帯にある過疎地域。当初は「自然に囲まれている」と喜んだが、移住後三ヶ月ほどすると、夫の行動は目に見えておかしくなった。 「夫の実家は農家で、母屋とは別に納屋があり、そこの2階が夫の部屋になっているんです。最初は子供と三人、母屋の一部屋で暮らしていましたが、夫だけが『ここで仕事をするのは息が詰まる』と納屋の2階にある自室に移動しました。  以降、母屋には入浴以外では寄り付かず、食事もろくにとっていない。心配して義母に相談したんですが……」  しかし、ここでも義母は夫を擁護するかのような態度に終始したという。 「あの子は昔からそうだった、部屋に友達を呼んで楽しくやっているのだからあまり口出ししない方がよい、と笑うんです。実際に夫の部屋をのぞきに行くと、そこに夫はおらず、中学時代の友人たちが、真昼間から酒を飲んで寝転がっていたんです。夫の居場所を聞くと『スーパーに買い出しに行った』と。まるで出来の悪い不良中学生です」
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夫の行動を子供が見ている
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新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。

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