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“こどおじ”化する40代既婚男性。妻や子どもを巻き込み一家崩壊寸前

旧友たちとの自堕落な生活

自然に囲まれた古民家で田舎暮らし 夫は高校卒業後に大阪市内の大学に進学。就職も関西圏だったが、常々口にしていたことは「都会は合わない」だったという。そんな夫にとって、田舎暮らしは居心地がいいのかもしれないが、まるで暇を持て余した中高生時代にタイムスリップしたような自堕落な生活になってしまったのだ。  すっかり「こどおじ」化してしまった夫のことを考えるたびに、泣いているという落合さん。 「夫はタバコを吸わないのに、友人たちがやってきては部屋でバカバカとタバコを吸います。酔っ払った友人たちが、母屋のトイレに行くのが面倒だからといって、夫の部屋の窓を開け、そこから立ち小便をするなんてこともありました」

夫の行動を子供が見ている

 落合さんは怒り心頭の様子だが、いちばんの懸念は、そうした夫の行動を、子供がしっかり見ていることだ。 「子供はもうすぐ小学生ですが、夫が変わったことを見て違和感を覚えているようです。保育園にも行きたがらなくなりました。生活が落ち着いたら、この辺りに家を建てようなんて話していましたが、一刻も早く関西に戻りたい。このままでは家庭が崩壊します。いや、もう取り返しがつかないところまできている気がしてなりません」  単身男性の「こどおじ」は、その両親などにしか負担や迷惑はかからず、だからこそ一般市民は「自分には関係がない」といった冷笑的な態度でいられるのだろう。  一方、今回紹介したようなケースは、妻や子供まで不幸に陥れ、一家崩壊を招きかねない。また、多くのメディアが「こどおじ」を面白おかしく取り上げがちだが、本当に悩んでいる人も少なくないという事実は、もっと広く周知されるべきだろう。 <取材・文/山口準>
新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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