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牛丼値上げの正体は「中国人の爆食」? 豚から牛へ食生活が変化して

中国の強大な購買力に押される日中牛肉争奪戦

日本 中国  国旗  世界中の牛肉を爆食する中国だが、お隣である日本との牛肉争奪戦は今後も激化することは避けられそうにない。前述のように元々、牛丼用の牛バラ肉も牛タンも国際的に需要がなく、日本人が独占的に獲得することができたゆえ、庶民食として普及してきた。  ただ、中国人がインバウンド観光や中国現地への牛丼チェーンの進出によりその美味さに気づいた今、状況は大きく変わった。  日本の牛肉の食品自給率は約4割程度と過半数を輸入に頼っている。輸入は最終的にはその国の購買力が物を言うが、「全人口が約1億2000万人の日本に対して、中国は富裕層の多い沿岸部だけでもその数倍。勝負にならない」(食肉商社)。  日本経済の先行きが好転する兆候は何も見えない中、足元では円安が進み、輸入に不利な状況が当面続きそうだ。日本人は「安くて美味い」はずの牛丼や牛タンすら手軽に食べられないほど、地位が低下しつつある。日中の間では、これまで高級品の和牛が大きな話題となってきたが、今後は富裕層だけでなく庶民も巻き込んだ関心を集めるだろう。 <取材・文/竹谷栄哉>
フリージャーナリスト。食の安全保障、証券市場をはじめ、幅広い分野をカバー。Twitterアカウントは、@eiyatt.takeya
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