恋愛・結婚

もしかして私ってストーカー? 粘着LINEを送り続けた女性に対する弁護士の答え

ストーカーの加害者になりやすい人の傾向

 ところで、ストーカー加害者になる人の傾向はあるのでしょうか。 「分母としては女性が多い印象です。30歳前後の結婚適齢期の人。昔、不倫しまくって妻に出ていかれた男がいて、妻の代わりに連絡したら『お前が家族を切り裂いた』と抗議されたことがありました。そういう人は証拠を直視するのに慣れていないから、平気で言い訳をするし、なかなかコミュニケーションが取れません。  モラハラ的な発言をされる方も多いんです。そういった男性の場合、大声で怒鳴る傾向がありますね。自分が正義なので女性をねじ伏せてしまう。女性のほうが理性的かもしれません」  交際関係のもつれから感情をうまくコントロールできないという女性がいる。ムカムカして一方的にLINEを送り続けたり、電話を何度もかけたり。  相手から反応がない虚しさの一方、まるでストーカーのような自分が怖いというケースを記者は聞いたことがある。そういったケースもストーカーになるのだろうか。 「いきなりストーカーになることはありません。交際中もしつこくやりあっている可能性が高いです。例えば、関係がうまくいっていれば1日100件LINEのやり取りをしてもいいわけです。どこかのタイミングで『裏切られた』と感じるから、相手に執着する。ストーカーは真面目で頭の良い人が多いかもしれません」  なるほど。話を聞いていると、本当に誰でも簡単に加害者になってしまう恐れがあるようだ。 「親密な関係であればあるほど加害者になる可能性があります。関係があったにもかかわらずストーカーと言われてしまうのは、本当はかわいそうだと思いますよ。根本は別のところにありますから」  勘違いや身勝手さで相手を傷つけ、傷つけられた方は沼から抜け出すことができない。それでももがいた結果がストーカーのレッテルだ。一定の関係を持つ以上、誰にとっても対岸の火事ではない。自分の身を守るための知恵はあるのだろうか。 「加害者になった時に身を守る必要があります。返信がこないからといってLINEのトークを消すのはもったいないです。ストーカーというのは一部分だけを切り出して有利に主張をしてることもあるので」

被害にあったらまず警察ではなくひと呼吸置く

 では、ストーカーの被害にあった場合どうすればいいのだろう。警察が1度警告をすると9割近く収まるという話もあるのだが……。 「もっとですね。9割9分収まります。ただし、警察がどの程度まで言っているかが問題です。電話で済ませているケースと、呼び出しまでするケースがあって、被害者の主張がどれだけ強いか、どれだけ警察にしつこく粘ったかで対応に違いが出ます。客観的に見てどういう行為があったかというより、そういう要素に依存して処理している傾向が強いです。  しかし、いきなり警察だと相手を刺激しやすいので、まずはその人との関係を分析するのがいいのではないでしょうか。ストーカー行為自体は、家庭でも職場でも起きています。例えば上司が部下に『あれどうなってるの?』と常識内で何度かしつこく聞いたとして、行為自体は該当します」  警察より先に弁護士に相談するという手もあるが、適切なタイミングはあるのだろうか。 「ストーカー行為だけを切り出して相談するより、先に解決したい問題があったら弁護士に相談しましょう。話を聞いて、根本に対してケアをしていくことが大事です」    男女の仲は複雑で難しいことも多い。ひとたび捻れれば、ストーカーの被害者、加害者の関係になることも。そうならないためにも、まずはひと呼吸。落ち着いて、冷静に状況を見極めることが必要なのかもしれない。 取材・文/日刊SPA!編集部
1
2
3
おすすめ記事