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ゲーム実況は善か悪か?メーカーに隠れて“三店方式”で収益化を図る配信者も

ゲーム実況の拡大は何をもたらすのか?

エルデンリング

ゲーム実況も人気のフロム・ソフトウェアの最新作『エルデンリング』の公式サイト

 ことさらこの一件がどうというわけではなく、「ゲーム実況」というジャンルが拡大し、動く金額が莫大となったことである種の歪みが顕在化してきたと考えられます。  ここで浮かび上がってくる論点は主に3つではないでしょうか。1つ目は「メーカーや開発元に十分に還元がなされないゲーム実況はありか?」。ゲーム実況が宣伝となり売上が伸びるゲームは確かに存在します。しかし、それだけの還元では不十分に思えるほど、配信者の収益を上げる素材として消費されている感があります。ゲームの腕や話術が投げ銭に結びついているのはもちろんとはいえ、どこか納得がいかないという人も多いでしょう。  2つ目は「ゲーム実況動画だけで満足する“見るゲーマー”の増加」。ゲーム実況の視聴者が「このゲーム面白そう!」と思いソフトを購入するというのがひとつの理想形です。しかし、「ゲーム実況だけでお腹いっぱい。実際にゲームをやる気は起きない」「ゲーム実況を見ればプレイした気分になる」といった感想がよく見られます。スパチャを伴ったゲーム実況ライブが今後ますますエンタメビジネスとして盛り上がることで、「プレイヤー(配信者)」と視聴者の分離が進むかもしれません。

ゲーム体験を奪われるという問題点

 3つ目は「クリエイターが意図していない、コンテンツの消費のされ方について」。ストーリーが簡単に明かされてしまう、敵の攻略法があっという間に広まってしまう……といったマイナス面がゲーム実況にはついて回ります。それだけではなく、当たり前ですが、大部分のクリエイターがプレイされることを前提にゲームを構築しています。自主的にキャラを動かして、悩んだり、迷ったりして閃くことをゲーム体験として組み込んでいる場合も多いでしょう。それがゲーム実況の場合、1人がプレイし、何千、何万の人が実況付きでそれを見るという受容のされ方になります。そうした根本的な歪みもあるでしょう。  動画時代に花開いたゲーム実況は、文化として成熟していくのか。ゲームクリエイターとメーカー、ゲーム実況者はどのような関係性、バランスを保つべきか。悩ましい問題です。  今後はゲーム実況を念頭に置いた収益構造の確立を目指すメーカーも出てくるかもしれません。クリエイター側も遊んで楽しいゲームではなく、実況される余白を残し、大人数が視聴することで成り立つゲームを模索するかもしれません。ゲーム自体がどう変わっていくかも気になるところです。 <文/卯月 鮎>
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も
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