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成城石井の上場でコンビニ3位の親会社・ローソンが手に入れる意外なウマミ

ファミマは国内シェア拡大に意欲的

ファミリーマート 次にファミリーマートを見ていきましょう。ファミリーマートは2020年に伊藤忠商事の子会社化がエポックメイキングとなっています。これが契機となり、現在のファミマの経営戦略が進められています。  ファミリーマートに新たに設置されたデジタルサイネージ(大型ディスプレイ)を見たことがある人もいると思います。  こちらは、ファミリーマートと伊藤忠商事が設立した新会社によって進められている施策で、今年6月までに3000店舗の導入を目指しています。  こちらのデジタルサイネージをはじめ、ファミリーマートでは「地に足の着いたデジタル化」によって業績の拡大を目指しています。ほかにも店内で流れる「帝京平成大学の、ここがすごい!」「合宿免許、ワオ!」などの音声広告も貴重な収入源です。  多角的にキャッシュポイントを設けるファミマは、国内のシェア拡大のモチベーションはセブンイレブンよりも高いと言えるのではないでしょうか。

“マチのほっとステーション”の、中国での活躍

 国外に目を向けるセブンイレブン、国内事業の充実を図るファミリーマート。ではローソンはどういった視野で事業を展開しているのでしょうか。  ローソンの展開を国外・国内の両面から見ていきましょう。  まず国外に目を向けると、中国市場が非常に好調です。2021年9月には中国全土で4000店舗を突破。中国の日系コンビニエンスストアではローソンの店舗数が最大です。  1996年に日本のコンビニで初めて中国に進出したローソン。一節では中国におでんを広めたのはローソンとまで言われています。その後、店舗数が伸び悩みましたが、ここにきて順調な成長を続けています。近年のローソンの店舗数拡大には親会社にあたる三菱商事とのシナジーが大きいです。
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成城石井の上場で何が変わる?
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経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi

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