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成城石井の上場でコンビニ3位の親会社・ローソンが手に入れる意外なウマミ

宅配ビジネスとの連携を推進

ローソン 中国 また、店内調理のお弁当や惣菜を販売する「まちかど厨房」も順調に数を伸ばしています。「まちかど厨房」は現在、8000店舗を展開。ローソンは現在約1万4700店舗を国内で展開しているので、半分以上の店舗が「まちかど厨房」を持っていることになります。  今後さらに1万店舗までの拡大を予定しています。  この他にも、ウーバーイーツを筆頭に各種宅配ビジネスとの連携が他のコンビニよりも進んでいる点もローソンの特徴です。  宅配ビジネスは、「まちかど厨房」との相性も抜群。店で作った出来たてのお弁当を自宅までデリバリーしてもらうなどの活用が好評です。  ローソンは国外に目を向けると世界有数の巨大市場である中国のシェアを日本で最も獲得していて、この点は長期的なプラスとして考えられます。そして、国内ではファミリーマートとは違った視点でシェアを伸ばすことを目指しているという状況です。  そして成城石井の上場は国内シェアを伸ばすためのローソンの戦略をさらに加速させる可能性を秘めているのです。

成城石井の上場で変わるもの

 現在のローソンと成城石井の関係を流通アナリストの渡辺広明氏はこのように見ています。 「ローソンの子会社化後、ナチュラルローソン等での成城石井の商品の展開、ローソンの原材料供給網の活用はいずれも一部に留まり、顧客に浸透するシナジー効果を発揮するには至りませんでした」  つまり、これまでローソンと成城石井は双方にとって最大限のプラス効果を発揮していなかったということです。  しかし、この関係性が上場によって変わるかもしれないというのが渡辺氏の分析です。 「今回の上場が実現し、その後成城石井の事業が拡大すれば、成城石井とローソン両社とも本格的にシナジーが発揮しやすい環境に変化するかもしれません」
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全国のローソン販路に高級弁当が…
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経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi

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