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ラブホに事故物件はあるのか? 心霊ラブホに40泊した筆者の答え/文筆家・古谷経衡
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投稿日:2022年05月22日 15:53
ラブホに事故物件はあるのか? 心霊ラブホに40泊した筆者の答え/文筆家・古谷経衡
古谷経衡
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頻出する“ラップ音”の正体
写真はイメージです
彼らはどのような主張をするか。曰く、該ラブホテルで殺人事件があった等を根拠として、宿泊中にラップ音が聞こえたなどの身勝手な主張をする事が多い。ラップ音とは心霊・オカルト界隈にあって頻出する単語であるが、要するに室内で宿泊人の挙動に依らない、原因不明の破裂音や雑音が聞こえるというものである。 実際のところラップ音の真相とは、老朽化したコンクリート建築物にあって、そのコンクリートが永年の風雨により水分を含んで膨張することによって、コンクリートの膨張部分に鉄骨・配管等が僅かに接触し、不規則な雑音を発生させているものである。コンクリートは水分にさらされるとその体積が膨張する性質を強く持つことから、築年数が古い物件ではこのような不規則音が生じる可能性がある。 また防音構造が弱い物件などでは、通常使用の排水時に、汚水の流れる音が不規則な雑音として階下等に聞こえるのであるという、ただそれだけが真相なのである。よって「心霊ラブホテル」と噂される「事故物件」についての、これらのラップ音すなわち「幽霊の仕業」というのは、完全に科学的根拠のない陰謀であり、興味本位でこのような動画を拡散させている一部のユーチューバーにあっては、該ラブホテルへの営業妨害であって、厳に慎まなければならない。 また宿泊当日は特段異常はなくとも、後日体調異変を訴える者もいる。その体調異変というのは、体の痺れ、不定愁訴(なんとなしの体調不良)、頭痛、吐き気、精神的ストレス等である。もちろんこれらの宿泊者が訴える体調異変と、彼らが宿泊したラブホテルとの因果関係は完全に絶無である。しかしこれらの体調異変を「心霊ラブホテル」に泊まったからである、と主張する者が絶えない。 だがよく考えてみればこれらは陰謀論的荒唐無稽の範疇を脱していない。どんな高級ホテルに泊ったとしても、当日の就寝姿勢の悪さによって体躯中心・頭頚部等の神経が急性的に圧迫され、暫くたって痺れ症状が出る場合は十分にあるし、いや宿泊以前から何らかの要因により体調が悪化しており、それがたまたまチェックアウト後に発現したものにすぎないということができる。精神的ストレスにあっては、「心霊ラブホテル」に泊ったからに違いない、という思い込みが優先して自家消化的に不調の原因を該物件に求めているだけにすぎない。いずれも根拠が絶無であり、我が国のラブホテル文化を瓦解させんと目論む情報工作活動・破壊策動の類であると唾棄してよい。
幽霊や悪魔より怖いのは…
筆者は実のところ、所謂「心霊ラブホテル」とインターネット上で指摘される東京都内の、とある有名なラブホテルを定宿にしている。この物件は、さんざん、インターネット上で「幽霊が出る」とされている物件であるが、筆者はここに通算40泊はしている。しかしこの物件に泊まったとしても、筆者は過去に一度も体調不良を覚えることは無く、快適に惰眠をむさぼり、昼を迎えて何ら問題なくチェックアウトしている。実はこのラブホテルは、報道によれば過去に殺人事件があった物件で間違いないのである。それを筆者はとうの昔から知っているが、だからと言って幽霊に何かされた事実は一度たりとも無い。 勿論、犯罪被害者や志半ばで自害に至った人々の無念はいかばかりであろうか。しかしラブホテル居室内で、もしそういった事件・事故があったとして、そして実際に無念の霊魂が該物件を漂っているとしても、それが世俗を生きる現宿泊人を当日だろうと後日だろうと呪い殺した、などという例は聞いたことがない。 過去に該土地や建物で人々が無念の死を遂げ、その影響が現在でもあるという仮説が正しいのであれば、古代から戦乱・内乱・謀(はかりごと)のため、他殺が繰り返された古都・京都市や奈良市に存在する不動産はすべて「事故物件」となるはずだが、そんな事実は存在しない。筆者は霊魂の存在を必ずしも否定しないが、彼ら無念の魂が現在の世俗人に害を与えるとは全然思わない。 ラブホテルの建物内、または室内に無念の霊魂が存在するのであると、話を百歩譲ったとしても、その霊魂は宿泊客を狂死させたか。誰一人としてそんな事件は無かったではないか。霊魂の存在を肯定するせよ、彼らの無念は当然憐憫に値するが、仮にそうであったとしても我々に害をもたらさない。霊魂による「霊障(幽霊による害悪のこと)」をことさら騒ぎ立てて、過去の報道と対照し、ラブホテルの一部を「心霊ラブホテル」などとせせら笑う人がいるが、全く情けない反知性のたまものであり、ラブホテルを愛する1億人民はこうした反動勢力に毅然とNOを突きつけなければならぬ。 ラブホテルに存在する霊魂は我々宿泊人を絞め殺したか。生きたまま火で焼いたか。銃弾を浴びせて殺したか。霊魂よりも、ウクライナの無辜の人民を殺傷し、略奪し、陵虐し、燃料気化爆弾やバンカーバスター、巡航ミサイルを以て大勢の無辜の市民や子供を殺害し、あまつさえ「核をも使う」と示唆するプーチン露大統領の方が余程悪逆非道の、許せざる悪鬼である。本当の悪魔はラブホテルに住まう死せる霊魂ではない。本当の悪魔は世俗を生きる狂った独裁者ではないのか。 <文/古谷経衡>
古谷経衡
(ふるやつねひら)1982年生まれ。作家/評論家/令和政治社会問題研究所所長。日本ペンクラブ正会員。立命館大学文学部史学科卒。20代後半からネトウヨ陣営の気鋭の論客として執筆活動を展開したが、やがて保守論壇のムラ体質や年功序列に愛想を尽かし、現在は距離を置いている。『
愛国商売
』(小学館)、『
左翼も右翼もウソばかり
』(新潮社)、『
ネット右翼の終わり ヘイトスピーチはなぜ無くならないのか
』(晶文社)など、著書多数
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