更新日:2022年09月26日 18:20
スポーツ

暑い日には何を飲むのがいい? スポーツ医学から見る「最適な夏の飲料」とは?

何を、いつ飲めばいい?

「研究では、『喉が渇いた』という主観的なタイミングで水分摂取した場合は、十分に必要な水分量を補給できないことがわかっています。また、温度が低い飲料のほうが摂取量が増えることもわかっています。冷たい飲み物が合わない人もいるので個人差はありますが、飲む場合は冷たい飲料のほうがいいでしょう。また、ある飲料がどれだけ体内に留まるかということを表すBHIという指標があります。水を1として算出され、1より大きい値だと体内に水より留まりやすいということを意味します。このBHIは、正常体水分量状態(脱水していない状態)では,経口補水液がもっともBHIが高いのです(あくまでも水との比較です)。経口補水液は、もともとは下痢による過度の脱水に対する療法に端を発するもので、塩分濃度がスポーツドリンクより高いのが特徴です。汗をかいているときに水だけを飲むと、汗で血液中のミネラルが排出されたところに水分だけが増えるので、血液の濃さを調節するために、尿として水分を排出しようとします。そのため、水分だけ摂取するのは避けて、ナトリウムなどの電解質と糖質が含まれた飲料を摂るのがよいでしょう。まとめると、『水分補給は計画的に、(問題がなければ)冷たく、塩分・糖分を含み飲水行動が進むものを選択するのがよい』ということになります」  アスリートなら脱水はパフォーマンスの低下に繋がるし、一般人でも熱中症のリスクが高まる上に疲労感が増すことになる。 「喉が渇いた」と思ったタイミングではなく、発汗量などを考えた上で30分ごとなど定期的に水分摂取することが重要なのだ。
筑波大学で学位を取得後、国立スポーツ科学センター、立教大学、株式会社ウェザーニューズを経て、現公益財団法人日本サッカー協会、フィジカルフィットネスプロジェクトメンバー。専門はトップアスリートのコンディショニングおよび運動生理学。国立スポーツ科学センター在籍時には同センターにおける東京五輪に向けた暑熱対策プロジェクトを立ち上げ、多くの競技団体、トップアスリートに対し、暑熱対策に関する医化学的なサポートを行った。20年以上の競技現場での指導経験を有することから競技現場と研究の橋渡しとしての役割も積極的に担う。2016年リオデジャネイロ五輪サッカー日本代表をはじめとした国際大会に、コンディショニングサポートスタッフして帯同。日本サッカー協会公認A級コーチ、アジアサッカー連盟公認フィットネスコーチレベル2、CSCS。
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