お金

輸入車の謎カテゴリ「オーストラリア車」の魅力とは

LTD/フェアレーンギア

「FAIRLANE」の書体が萌え

LTDは、Tを中心にLとDをくっつけたような独自書体

 そんなフォードの中で、私が最も魅力的だと思うのが、90年代前半まで生産されていたLTDとフェアレーンギアです。  この「LTD」と「フェアレーン」、実はアメリカの本家フォードにも同じ名前のクルマがあるのですが、オーストラリア版は全くの別物。日本車(プレジデント等)とアメ車(リンカーン等)、両方の良さを持つLTDは、なんとも格好良く、中古車を並行輸入できるならば、日本で走らせたいと思う1台であります。  LTDとフェアレーンギアは、名前が違うものの、基本的には同じ車で、豪華な方がLTDとなります。  両者の違いは、グリルやホイールデザインの違い、また、内装の木目の違いなどであるのですが、コードネームもLTDが「DC」、フェアレーンギアが「NC」と分けられています。  オーストラリアで、この世代のフェアレーンギアを示す場合「NCフェアレーン」というと通じるかと思います。  このNC世代の両者、外装だけでなく、内装も独特で、特にメーターパネルと、ドアハンドル部分が印象的。  メーターパネルは、速度計だけがデジタルで、タコメーターがアナログという仕様。また、上部から見立てたクルマの全体像が描かれており、どのドアが「開いた状態」なのか、ひと目で分かり、給油口までも確認することができます。  ドアハンドル部分は、ドアポケット(ドアを閉める取っ手)とドアハンドルが一体になったようなデザインとなっているのですが、これはフェアレーンギアに限らず、当時の他の車種にも共通して採用されていました。  このような形状は、他国の自動車では見たことがなく、まさに当時のオーストラリア車らしさが感じられる部分だと思います。

日本と同じ右ハンドル仕様

 オーストラリアは、日本と同じ右ハンドルでありますが、ウインカーレバーも「右側」と、日本と全く同じであります。右ハンドル車のウインカーは、ISO規格では「左側」となっているため、イギリス車は日本と同じ右ハンドルであっても、昔からウインカーレバーは左側。右ハンドルかつウインカーレバーも右側というのは、日本ぐらいと思いきや、オーストラリア車も同様だったというのが面白い点だといえます。  フェアレーンギアとLTDは、フォードにおける最上級車種だったわけで、ホテルの専属ハイヤーの定番車だったといえます。LTDのストレッチリムジンも存在しました。  また、そういったフォーマル用途だけでなく、キャピング用の車両を引っ張る金具をつけているクルマもよく走っており、ファミリーカーとしての需要もあったようです。  LTDとフェアレーンギアに搭載されるエンジンは、3.9L(後に4.0L)の直6、もしくは5.0リッターV8。全長5220mmのFセグメント車らしいエンジンラインナップとなっています。  なお、LTDの寸法は、全長5220mm、全幅1857、全高1414mm。車重は1672kgとなっていました。

独特なデザインのメーターとハンドル(フェアレーンギア)

独特な形状のドアハンドル(フェアレーンギア)

次のページ
ファルコン
1
2
3
4
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ