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奈緒27歳「(永野)芽郁ちゃんと出会えたことは奇跡」ふたりの深い関係性を明かす

マリコは、もう空洞だった

マイ・ブロークン・マリコ

(C) 2022映画『マイ・ブロークン・マリコ』製作委員会

――辛くなかった? 奈緒:マリコは悲しいという感情すら沸かないところまで来てしまっているんです。辛いと思っていたら、ここまで生きられなかったんじゃないかと思います。「だって割に合わないでしょう」という言葉が出てきますが、それがずっと頭に残っていました。自分が生きていくための手段として、自分が悪いと思わないといけなかった。そうじゃないと、どう考えたっておかしい。おかしいと感じたら何かが崩れてしまう。私が演じた大人になったマリコは、彼女の中が空洞というか、大きな穴がもう開いている状態でした。 ――本当に大変な役だったと思いますが、それでも届けなければと。 奈緒:すべてそうですが、この世界に生きているからこそ、作品は届けられる、受け取れるものだと思うんです。そしてこの作品は、残された人たちに届けなくちゃいけないと、心から感じました。シイちゃんの、無鉄砲だけれど、これから自分自身がどうやってこの世で生きていくのかとすごく戦っている、向き合っている姿は、私にもすごく勇気を与えてくれたので、ぜひたくさんの方に届いてほしいと思いました。

私たちも一緒に生きていくので、どうか一緒に

マイ・ブロークン・マリコ

(C) 2022映画『マイ・ブロークン・マリコ』製作委員会

――空洞になってしまいそうな人へかけたい言葉はありますか? 非常に難しい質問かと思いますが。 奈緒:急に現れる焦燥みたいなものって、誰にでも忍び寄るものだと思うんです。でも生きているという、そのことだけで、絶対に誰かのためになっていると思います。きついなと思ったり、もう嫌だなと思うときもあるかもしれません。でも「明日までは生きてみよう」って。そんな夜を繰り返していけば、いつか、この世界に生きていてよかったと思える人に出会えると思います。私たちも一緒に生きていくので、どうか一緒に。誰かと出会える未来を一緒に見れたら嬉しいと思っています。
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芽郁ちゃんとの出会いは奇跡
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ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi

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【公開情報】
映画『マイ・ブロークン・マリコ』は全国公開中
(C) 2022映画『マイ・ブロークン・マリコ』製作委員会
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