夏ドラマ、業界人の本当の評価。今からでも観たいのは「深夜帯の不倫モノ」
各局で放送中の夏ドラマの佳境を迎えている。放送前は、もはや安定の日曜劇場『TOKYO MER ~走る緊急救命室~』(TBS系、日曜午後9時~)や月9ドラマ『ナイト・ドクター』(フジテレビ系、月曜午後9時~)といった救急医療モノや小芝風花と中島健人(Sexy Zone)によるラブコメディ『彼女はキレイだった』(フジテレビ系、火曜午後9時~)、秋元康プロデュースによる考察系サスペンス『漂着者』(テレビ朝日系、金曜午後11時15分~)などが目玉とされてきた。
まずは制作会社でテレビドラマを手掛けている40代のプロデューサー・A氏に話を聞いた。
「全体的に期待外れの作品が多い印象。近年ヒット作の多い火曜10時枠の『プロミス・シンデレラ』(TBS系、火曜午後10時~)は、演技派の二階堂ふみさんが演技力や表現力をうまく発揮しきれていないし、『ボクの殺意が恋をした』(日本テレビ系、日曜午後10時30分~)は、殺し屋が恋をしてしまうという斬新な設定に注目していましたが、設定止まり。コミカルにするならばとことんそっちの路線にいったほうがよかった気もします」
“設定負け”した惜しい作品ということか……。
A氏が個人的に注目しているのはテレ東の深夜ドラマ。不倫を描いた『ただ離婚してないだけ』(テレビ東京系、水曜深夜0時~)と『うきわ ―友達以上、不倫未満―』(テレビ東京系、月曜午後11時6分~)の2作だという。
「不倫ドラマの『ただ離婚してないだけ』(テレビ東京系、水曜深夜0時~)と『うきわ ―友達以上、不倫未満―』(テレビ東京系、月曜午後11時6分~)は面白いですね。
『ただ離婚してないだけ』は、北山宏光さん(Kis-My-Ft2)と中村ゆりさん演じる冷めきった夫婦が、不倫をきっかけに“ある事件”を起こしてしまい、さらなる泥沼に落ちていくといったストーリーで、いわゆる“不倫モノ”の域を超えたサスペンスになっていて、次の展開が気になってしまう。原作はもちろんですが脚本も素晴らしいなと感心しました。北山さんの冷徹なキャラクター作りや作品全体の演出も素晴らしく、ドラマとしても良作です」
しかし、東京五輪の中継などと重なったこともあり、国民を巻き込むようなヒット作は生まれずやや低調な印象。そんな夏ドラマを業界人たちはどう見ているのか? 残すところわずかとなった話題作からこれから盛り上がりを見せそうな深夜ドラマまで、今からでもぜひ観たほうがよい作品や気になる俳優について忖度抜きで語ってもらった。
期待外れだった火曜10時枠『プロミス・シンデレラ』
意外な展開をみせる不倫ドラマ
テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。
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