更新日:2022年11月05日 19:36
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ニューヨーク在住の記者が日本で感じた違和感「マスク着用義務はないのに」

マスク着用義務化が解除されたニューヨークからの帰国

10月15日タイムズスクエア1

ニューヨーク・タイムズスクエア(10月15日撮影)

 1年ぶりに日本に帰国した。筆者が在住しているニューヨークでは、屋外で1年前からほぼ誰もマスクをしていない。ニューヨークでは9月7日に地下鉄でのマスク着用の義務化も解除された。ところが日本では屋内外ともに、ほぼ100%のマスク着用率。それでも一時期、日本のマスク着用率は世界一にもかかわらず、感染者数は世界一を更新し続けていた。  世界中を渡航している筆者が新型コロナ対策として気をつけているポイントは「換気がされているかどうか」「コロナ禍前にどんな場面で自分は風邪を引いていたか」そして「その国の法律はどうなっているか」。この3つだ。「その国のマスク着用率」については気にしたことがない。  何かがおかしい。美容製品に対する考えのように、その製品を「使い続けていたからこそ、なんとか現在の肌質を保ち続けている」と、マスクも着用していたから日本はその程度の感染拡大に収まったと考えるべきなのか。  いや、違うのではないか…。段階的にマスク着用義務化を解除したニューヨークでは、その段階ごとに感染者が増えたわけではなかった。日本人の考えからすれば、マスクを外す人が増えるたびに感染者が増えなければおかしい。筆者は迷ったものの、ニューヨークのコロナ禍での経験を踏まえて、日本滞在中はノーマスクでいることにした。

他人の目を異常に気にしながら“建て前”で生活している日本人

8月のニューヨーク・コニーアイランド

ニューヨーク・コニーアイランドに集まる人々(8月撮影)

 ちなみに筆者は日本に帰国する直前の9月中に、ニューヨークでオミクロン株「BA.1」に対応した5回目のワクチン接種を済ませていた(インフルエンザワクチンも同日接種)。現在、アメリカで「BA.1」対応ワクチン接種から「BA.5」対応ワクチン接種までの接種間隔期間は最低2か月となっている。11月には「BA.5」に対応した6回目のワクチンをニューヨークで打つ予定だ。将来的には、インフルエンザのように1年に1回くらいの接種頻度になるとされている。  日本滞在中に「ノーマスクでいると周りからの視線が痛くないですか?」と友人から尋ねられた。ニューヨークではまったく気にはならなかったが、日本国内にいる日本人にとっては、ノーマスクは「チャレンジ」なのだろう。本音では「マスクはいらない」と思っているその友人も、日本では“建て前”でマスクを着用している。筆者は密かに日本にいる際にノーマスクでいることを「ノーマスクチャレンジ」と名づけた。  ノーマスクチャレンジは以下のようなルールで行った。注意されたらすぐさまマスクを着用する。もちろん、いわゆる「ノーマスク集団」のようには群れずに、あくまでも個人で行う。マスク着用を求められてもその場で議論はしない。日本では飲食店などで、客の入店時にスタッフがマニュアル通りにマスク着用の「口上」を述べている場合が多いからだ。
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成田空港からノーマスクで入国、都内を動き回る
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ジャーナリスト、ニューヨーク在住。その他ビジネスに携わる。現代ビジネスほか、The Tokyo Postでも「リベラルな街から」を連載中。

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