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テレ朝・玉川徹氏の“電通発言問題”から考える「暴走する上司」が現場に与える影響

暴走する上司の現場への影響は…

 玉川氏に限らず、数字至上主義で暴走しがちの上司は、現場の部下にどういった影響を与えるのだろうか。この件について、労働社会学者である常見陽平氏に話を伺った。 「上司の態度が目標やその成果による『マネジメントの徹底』だと捉えた場合、行動の方向性、基準が明確になるというメリットもあるし、その指標を達成するための創意工夫が生まれることもあります。  ただ、目標達成の難易度が高すぎる場合や、達成のための支援をしない場合は、その数字を追わせる行為自体が、暴力的なものになります。さらに、各社の品質詐称事件、粉飾決算などにみられるように、不正を誘発することにもなりかねないのです」

高圧的な上司が生み出す不協和音

 また常見氏は、上司の高圧的な態度に萎縮する部下のメンタルヘルス問題についても指摘した。 「玉川氏問題を高圧的な態度の問題だと捉えた場合、このような上司がいる職場は緊張感に満ちたものになり、ストレスが懸念されます。また、従業員が自由に創意工夫できる環境ではなくなり、萎縮します。そうなるとメンタルヘルスの問題が心配です。  さらに、その上司から部下へのハラスメントではなく、メンバー同士のハラスメントが誘発されることもあります。つまり、威圧的、高圧的に接してよいという前提が生まれてしまうからです」
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暴走する上司へ対策は
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