日本人が学ぶべき“正しい怒り方”とは。「あの時怒っておけば…」と後悔しない方法
“怒る”という行為はネガティブなイメージが強いため、いざ怒るべきシチュエーションに遭遇しても我慢する人は多い。ただ、時間が経って「あの時怒っておけば良かった」とじわじわ後悔するケースは珍しくない。
さらには、怒るべき時に怒らないと舐められてしまい、搾取される可能性があるため、やはり怒ることは時には大切なのではないか。そこで今回は、僧侶で『ヤクザ式 相手を制す最強の「怒り方」』(光文社新書)の著書の向谷匡史氏に話を聞いた。
怒りの感情が湧き上がっても、「どのように怒って良いかわからない」という人も多いだろう。まず、正しい怒り方について聞くと、「 “正しい怒り”は、怒ることを通して相手の自分に対する認識を変えさせたり、相手の非を咎めることで自分が有利な状態を作り出したりなどを“目的”にしています。ですので、怒った後には人間関係が修復されなければなりません」という。
「一方、“悪い怒り”は怒ることそれ自体が目的です。その後の関係性を加味せず、怒りの趣くままに罵詈雑言を浴びせたのでは、相手に怨みが残ってしまい修復は困難になります。この違いは肝に銘じておくべきです」
続けて、「正しい怒りの目的を果たすためであれば、言ってしまえば、怒りの表現・言葉は乱暴にする必要はありません。論理的であれば相手を屈服させることができます」と答え、屈服させるための方法を説明する。
「大切なことは売り言葉に買い言葉にならず、論点をずらすこと。例えば、『またかよ、仕事が遅いな』とバカにされた場合、『これでも一所懸命やっているんだ!』と激高すると、『遅いから遅いと言ってるんだ!』と早い遅いの土俵でケンカになります。それでは相手が勢いづくだけ。
ですので、『仕事は遅いかもしれないが、遊んでるわけではありません!』『確かに他の人より遅いだけど、そんな言い方はないんじゃないですか!?』と論点を変えて相手を責めると、相手は口が滑ったことで押されてしまい、『言い過ぎたよ、悪かった』となります」
そして、「任侠映画なんか参考になるのですが、強いヤクザは冷静に論点を変えながらも、怒りを表出することに長けています。言い回しはもちろん、どのような論理構造で反論しているのかも注目すると良いでしょう」と語った。確かに口喧嘩が強い人はどこか論点を巧みにずらしている印象があるため、参考になる人物は任侠映画以外にも意外と多そうだ。
正しい怒りの目的
大切なことは論点をずらす
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