更新日:2022年12月14日 16:17
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日本人が学ぶべき“正しい怒り方”とは。「あの時怒っておけば…」と後悔しない方法

第一声を決めておく

向谷匡史氏

『ヤクザ式 相手を制す最強の「怒り方」』(光文社新書)の著書の向谷匡史氏

 とはいえ、怒るべきシチュエーションは急に訪れる。正しい怒り方を知っていても面喰ってしまい、一方的に責められることも少なくない。怒りのスイッチをすぐに入れるためのテクニックとして、「怒りの第一声をいくつか決めておいて、それを自分のものにすると良いでしょう。ただし、第一声は怒りが相手に伝われば良いので、言葉自体に意味は不要です」と解説。 「例えば、『ちょっと待ってくれださい!』『それはないんじゃないですか!?』『なんだよ、その言い方は!?』など、言いやすい言葉を3つほど考え、それを普段から心の中で口ずさみ、自分のモノにすると良いです。  この第一声を発した後、先述したように論理展開して相手の非を責めます。相手が劣勢に立ったと思った段階でスーッと引いてみせ、相手が非を認めるのも待てば良い。怒り方の下手な人は、最初の言葉がすぐに出ないため、口ごもり、結局は怒れなくなります。第一声を決めておくことはとても大事です」  他にも怒りのスイッチの入れ方として、「怒らせる相手とその状況を仮定して、日ごろから怒り方を繰り返しシミユレーションすることも有効です」と提案。 「過去に受けた屈辱的な出来事を思い返し、『あの時、どう切り返せば良かったのか』を考え、相手と自分と一人二役で何度も練習する。これはとても重要で、ヤクザも駆け出し当時は、脅しのタンカや切り返し法を何度も練習しています。慣れてくれば、“ああ言えばこう言う”ができるようになるでしょう」

イジり=舐められている

 また、怒りのスイッチの入れ方同様、「馬鹿にされた」「理不尽なことを受けている」と瞬時に判断する必要がある。ただ、怒られている時はパニック状態であることが多いため、冷静かつ瞬時に「馬鹿にされている」と判断するためことは難しいが、「『イジられた』と感じた時が馬鹿にされた時です」と回答。 「部下や後輩をイジりはしても、上司や経営トップをイジることはしません。つまり、『イジられた』ということは馬鹿にしている証拠です。ヤクザもそこをわきまえているため、どんなに親しくなっても決して軽口は言いません」 「イジりを放置していると、エスカレートしていくのが常です。早い段階で芽は摘み取るようにしましょう」と口にした。
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なぜ日本人は怒らないのか?
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フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki

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