更新日:2022年12月11日 16:31
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ロレックスが認定中古を開始。クルマの「認定中古車」とは何が違うのか

クルマの認定中古車が成り立つわけ

認定中古車の保証書

認定中古車の保証書

 中古車には上記の「2つの大きな不安」があるわけですが、そういった不安を取り除いたのが「認定中古車」だといえます。  確かにクルマには、厄介な部分があり、これまで数十台中古車を買った私も、なんども痛い目にあっています。クルマは、車種によって「壊れやすい部分」があったり、不具合があるなど、注意すべきポイントがいくつもあります。  本来、中古車を買ったなら、買った後もお金がかかるという前提にたたなければならないともいえるのですが、それに納得できる人は多くありません。新車の場合、「クルマにお金を払ったのに、すぐに修理費がかかる」なんてことはないわけですから、その気持ちは中古車に慣れている私でも良くわかります。実際、他の商材で「買ったすぐ後にも、メンテナンス代がかかるかもしれない」というモノは少ないわけですから、“商品代を払って手に入れたのに、まだお金がかかる”ということは、なかなか納得できないことでしょう。  しかし、認定中古車を買えば、「買った後、すぐにお金がかかる」などということは、基本的にありません。だから、認定中古車は、リスクを極力減らした状態で中古車を買うことができるという画期的な仕組みだといえます。認定中古車は、通常の相場よりも“少し高め”という価格帯となっている場合が多いですが、多少高くても「安心」を手に入れることができるのです。

中古車と中古腕時計の違い

 中古車という商品には、「壊れるリスク」と「素性がわからないリスク」の2点があるわけですが、それを中古腕時計に当てはめるとどうなるでしょう。  まず、「壊れるリスク」についてですが、壊れやすい腕時計というのはあまり多くありません。一般的な機械式腕時計は、毎日使うなど酷使した場合でも、“5年に1度のオーバーホール”といった程度のメンテナンス頻度だと思います。まして、何本かコレクションしていて使用頻度が低い場合は、10年に1度、オーバーホールをするかどうか、というぐらいのメンテナンス頻度であるわけです。  次に、「素性がわからないリスク」を腕時計に当てはめると、どうなるか。その答えは、ずばり「偽物を掴まされるリスク」となります。  ただ、日本国内の中古腕時計市場では、本物と偽って偽物を売るケースはほぼ無く、お店を介した取引でそういったトラブルにあうリスクはほぼ無いといっても過言でありません。ですから、中古腕時計の「素性がわからないリスク」はあまり高くないといえます。  つまり中古腕時計には、中古車にあるような「面倒なリスク」がないといえるわけです。そうなると「認定中古腕時計」の意味合いが薄れてきてしまうように思えます。  ただ、古い世代の腕時計が正規店に並ぶことになれば、今までそういったモノに興味がなかった方々が「旧世代の魅力」を認識することに繋がるかもしれません。過去に販売された、旧商品の中には魅力あるモデルがたくさんあるため、より多くの人がそういったモデルを楽しむことができる、というのは良いことだと思います。
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認定中古腕時計は“買い”なのか
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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