更新日:2023年02月24日 10:09
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暴走族は社会の縮図。子供たちが「学校以上に厳しいルール」で学ぶもの

学校以上に厳しいルールを守る理由

単車

写真は雑誌『ティーンズロード』より

 暴走族には、厳しいルールがたくさんあります。あるレディースチームを例にあげると、次のようなものです。 ・アンパン(シンナー)禁止 ・ヤリマン禁止(彼氏以外の男とのSEX禁止) ・カツアゲ禁止 ・万引き禁止 ・窃盗禁止 ・常にチームとして恥ずかしくない行動をとる ・先輩のタバコにはすぐさま火をつけ、灰皿を用意する ・身だしなみをきちんとする ・先輩の言うことは絶対に聞く ・上下関係の礼儀や敬語を忘れない  これはほんの一例ですが、ルールを守れない場合は、先輩や仲間からヤキを入れられてしまう(ボコボコにされてしまう)のです。  ものすごく乱暴ではありますが、軍隊や体育会系の部活、あるいは企業に入社する前に行われる教育指導にも似ているように思えるのです(もちろん、内容はぜんぜん違いますが……)。  暴走族に入る子どもたちの多くが16歳前後でした。  親や先生に言われても聞かず、それどころか反発していたはずなのに、ここ(暴走族)では確実に守ります。  守らなければボコボコにされますし、酷いときには地元から出ていかなければならないなどの仕打ちを受けるので、当たり前と言えば当たり前なのですが。  それでも彼女たちは、自分の意志でチームに入ります。そこには、“自分の居場所を見つけた”という喜びがあるのです。そのためにすべてを受け入れられるのかもしれません。

一見めちゃくちゃな行動に見えても…

 私が特に印象に残っているのは「立番(タチバン)」です。  これは地方やチームによって言い方は異なりますが、定期的に地元の駅や周辺の繁華街で見回りをします。そして、茶髪にしていたり、見るからにヤンキー系の子たちを見つけると「この街でチャラついたり、イキがるならば、私たちのチームの傘下に入るか、髪の毛を黒くして真面目になれ」などという選択を迫り、もしも反発すればボコボコにします。  一方的でめちゃくちゃだと思いますが、彼女たちなりに“地元の治安を良くしよう”という行動なのです。
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そして、大人になっていく…
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伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』をはじめ、改造車だけを扱うクルマ雑誌『VIP club』や特攻服カタログ『BAMBO』、渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』など、数々の不良系雑誌の編集長を務めて社会現象を起こす。現在は、大洋図書発行の実話誌『実話ナックルズ』のYouTubeチャンネル「ナックルズTV」や、ギャル男雑誌『men’s egg』をWebで復活させたYouTubeチャンネル「men’s egg 公式」のプロデューサーとして活躍中。

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