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160万円のロレックスが4年で1000万円超え。腕時計投資のプロが「買わずに失敗した例」

購入する決断をしたときには

 そんな私ですが、オニキス文字盤の118208への憧れが忘れられず、ついに2022年に購入を決意。その時点で、118208は265万円以上という相場になっていたわけで、最初に“買おう”と思った2018年時点に対して、100万円以上も予算を追加して買うという環境になっていました。  以前買おうとした時の相場に対して100万円のプラスでも、私は118208にそれだけの価値があると思っていたため、相場が上昇したことは、購入する際になんら問題と感じなかったわけです。  しかし、その時、最も大きな問題に私は直面します。  それは、265万円で118208を買おうと思ったときに、念のため、日本ロレックスに電話をしたときに発覚。2018年と2022年とでオニキス文字盤の交換料金が変わっているのでは、と思い電話をしたのですが、なんと、それどころではない回答を聞くことになってしまったのです。  それは、「118208の交換用文字盤として、オニキス文字盤はご案内できません」という内容。つまり、2018年時点でオニキス文字盤に交換することができたのに、2022年にはそれができなくなってしまったわけです。

1000万円超えの可能性も

 そして、中古で売り出されているオニキス文字盤のデイデイトを見てみると、見事に相場は上昇。かつて、高くても300万円程度といった相場だったオニキス文字盤のデイデイトは、現在ではなんと700万円以上という状態に変化しているのです。  また、現時点で118208のオニキス文字盤が売り出されている様子はありませんが、他のデイデイトよりも「オニキス文字盤」との組み合わせが希少であるため、118208のオニキス文字盤は、800万円以上、下手したら1000万円以上という相場になっている可能性もあります。    以上のように、私は「欲しい」と思いながらも、買うことを躊躇した結果、大きな機会損失をしたわけです。  2018年時点で、予算200万円程度で手に入った118208オニキス文字盤は、今となっては「手に入れることができない」という存在。中古相場は、先程のように1000万円超えという相場になっている可能性があるぐらいですから、仮に200万円で買ったならば5倍程度の値上がり体験ができたともいえます。  私は、変にストイックに「2本買うのは贅沢だ」などと貧乏マインドによって、デイデイトの購入を見送ったわけですが、その結果、少なくとも500万円以上の機会損失をしてしまったわけです。  こういった経験をした私が教訓としていえるのは、「欲しい」と思ったならば、買ったほうが良いということ。まさに「いつ買うの? 今でしょ!」が真理だと思います。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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