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第31回「地球環境大賞」は東急/町田市が受賞。官民連携による“新しい暮らし”を創出

大賞/東急・町田市「南町田グランペリーパーク」

「産業の発展と地球環境との共生」に向けた、技術開発や保全活動などに熱心に取り組む企業、団体を表彰する「地球環境大賞」(主催:フジサンケイグループ)。2023年3月1日、第31回の受賞企業が発表された。授賞式は、4月17日に東京・元赤坂の明治記念館で行われる予定だ。  大賞には、「南町田拠点創出まちづくりプロジェクト」において「南町田グランペリーパーク」を誕生させた東急と町田市が選ばれた。まち全体が歩車分離かつバリアフリーで、駅と商業施設、公園がシームレスにつながったウォーカブルでコンパクトなまちとしたことが評価された形だ。
南町田グランペリーパーク

南町田グランペリーパーク。商業施設と公園がシームレスにつながる自然豊かな空間

南町田グランベリーパーク駅

南町田グランベリーパーク駅

 同パークは、街全体に環境配慮を象徴する“グリーンインフラ”を採用し、バイオスウェルやレインガーデンなど、雨水の自然浸透装置をエリア全体に配置している。  建設中の駅直結の都市型住宅は、全住戸・共用部電力を実質再生可能エネルギー100%でまかなっている。また25kWの急速充電器を設置し、電気自動車と再エネ100%電力を活用したカーボンニュートラルなライフスタイルの普及促進に取り組んでいる。商業施設は、LED照明及び一部太陽光発電システムパネルの導入等に加え、今後は太陽光発電所を活用したオフサイトコーポレートPPAモデルを採用予定である。

経済産業大臣賞/「清原工業団地スマエネ事業」を構築した5企業2自治体

「経済産業大臣賞」は、既存工業団地の複数事業所間で電力と熱を共同利用する「清原工業団地スマエネ事業」を構築した、東京ガスエンジニアリングソリューションズ/栃木県/宇都宮市/カルビー/キヤノン/久光製薬/東京ガスが受賞。資本関係のない異業種であるカルビー、キヤノン、久光製薬の3社7事業所とエネルギー管理支援サービス事業者である同社は、電気と熱(蒸気・温水)を融通する地産地消型エネルギーシステムを構築し、2020年度から本格稼働させている。
清原スマートエネルギーセンター

清原スマートエネルギーセンターの高効率ガスコージェネレーションシステム

清原スマートエネルギーセンター

大幅なCO2削減とレジリエンス向上を実現した清原スマートエネルギーセンター

 今回の審査に関して、審査委員長である東北大学名誉教授、日本工学アカデミー名誉会長・阿部博之氏はこう語る。 「最近の世界のエネルギー事情の急変が、企業経営に影響を与えていることが、応募状況からもうかがえます。  一方、脱炭素、省エネ、脱プラへの不断の取り組みは、あらゆる事業所に浸透してきていることがよくわかります。その中で、小規模企業の特性を生かしたユニークな取り組みには改めて敬意を表します。上記のほか、とくに高校や一部自治体の活動には特記に値する事例が多く、環境問題の意識改革にも繋がっています」  地球環境問題は世界的に取り組まれるサステナビリティ確保の重要課題。産業界の意識の高まりと、今後の取り組みに期待したい。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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