──お話を聞いていると、ZAZYさんはカサグランデ最大のキーマンで、ある意味みんなからとても愛されているようにも思います。 仁木：そうですね。ZAZYがきっかけの仕事もたくさんありましたし。もしZAZYがいなかったら、ただただ仲良く住んでいただろうなと思います。 檜原：インスタライブとかYouTubeとかもやらずに過ごしていたかも。 仁木：家の中で完結していたかもね。やっぱりZAZYがいると、誰かに告げ口をしたくなるようなことが起こるんですよ。 檜原：ZAZYのおかげで、家で起きたことをラジオとかブログとかで言うようになったのはありますね。ルームシェアしている芸人はたくさんいるけど、こんなにも話題に事欠かないことはなかなかなくて。 仁木：他のルームシェアには悪いやつがいないから。昔の人が「鬼が来てこんな目に遭った」みたいなことを言い伝えとして残しておいたように、僕らもZAZYの振る舞いを伝えていかなくてはという使命感が生まれたよね。 ──やはりZAZYさんが（笑）。 仁木：コロナの時期がかぶったのが、僕たちのルームシェアにとってはよかったのかもしれない。もしふつうに劇場が開いていたら、ここまで一緒にはいなかったと思うんです。 檜原：いまの生活では、みんなで住んでいても、夜中、寝る前にちょっと顔合わせるくらいなんですよ。そしたらここまで関係を深められなかったかもしれない。ずっとみんなが一緒にいたからこそ、カサグランデの話題がこんなにもたくさん生まれたんだと思います。 ＜取材・文／釣木文恵　編集／アライユキコ　撮影／山川修一（扶桑社）＞ 【檜原洋平（ひわら・ようへい）】 1991年生まれ、大阪府出身。高校時代からコンビを組んで漫才をはじめ、大学在学中にサンストレンジというコンビで活動。卒業後、上京するが2015年に解散。2016年、大鶴肥満とママタルトを結成、サンミュージックに所属。R-1グランプリ2021準決勝進出、M-1グランプリ2022で準決勝進出。レギュラーに『ママタルトのラジオ母ちゃん』（GERA）など。 【仁木恭平（にき・きょうへい）】 1991年生まれ、北海道出身。高校卒業後フリーで活動をはじめ、そうじゃねえだろ、ひみつスナイパー健というコンビを経て2021年ケビンスを結成。それに伴いひみつスナイパー健時代に所属していたサンミュージックから吉本興業へ移籍。R-1グランプリ2021、2022で準決勝進出。また、コンビ結成2年目でM-1グランプリ2022準決勝進出を果たす。2月より『ケビンスの男前放送』（GERA）が期間限定でスタート。ライター。名古屋出身。演劇、お笑いなどを中心にインタビューやレビューを執筆。X（旧Twitter）：@troookie