仕事

「歯医者まで届けて」という依頼も。ウーバー配達員を悩ませる迷惑客の存在

コロナ禍を経てすっかり世の中に浸透した感のあるフードデリバリー。各社のロゴが入ったバッグを背負う配達員の姿は、もはや日常の一部になっている。
ウーバー配達員

画像はイメージです

画面越しでやり取りが完結するのは便利だが、一方で配達員への気遣いは希薄になってしまうのかもしれない。案の定、配達員の立場からすると不快な思いをすることは多々あるという。ウーバーイーツ歴3か月の木内正司さん(仮名・33歳)がとため息交じりで口を開いた。

留学の準備期間で始めてみた

木内さんは、最近まで東京に本社があるメーカーの資材調達部で正社員として勤務していたが、海外に語学留学するためにフルタイムの仕事に区切りをつけた。 「ウーバーイーツを始めた理由は、渡航用に設けた準備期間に『月10万円ぐらい貯金できれば……』という軽い気持ちからです。運動不足の解消にもなるし、気分転換にもなるので、悪くない選択かなと。ところが、今まで経験してきた職種ではあり得ない態度を取られることも多くて、想像以上にストレスが溜まっています」

なぜかキレ気味の客

前職は会社間の取引が主だったので、個人の人間性や性格が表に出ることはなかった。だからこそ、配達時に“本性”が露呈した場合、余計に気になってしまうというのだ。 「集合住宅なのに部屋番号を書いてない人はよくいます。届けようがないですよね。先日あったのは、『部屋番号を教えてください』と問い合わせると、『なんですか?』と。意味がわからず、もう一度部屋の番号を聞いたら『403』とだけ返信が。その人とは届ける際に対面したのですが、無言かつ仏頂面で……。なぜ怒っていたんでしょうかね……」 配達を終えた直後、木内さんには悪い評価がついた。
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指定通りなのに悪い評価を付けられ…
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東京都出身。多くのアルバイト経験をもとに、低いところで人生経験を積む。バックパッカーとなり頻繁に海外へ出ていた時期がある。社会的に成功しない人々との交流が深く、その悩みを聞くことで人間が求める普遍的幸福を読み解こうとしている。
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