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維新の圧勝で終わった大阪ダブル選。熱狂を後押しする大阪の「特異な事情」

今後の4年間で真価が問われる

吉村洋文

2021年に実施された衆院選では、大阪で人気の吉村洋文府知事が東京でも頻繁に街頭演説を実施。集まったギャラリーの数からも、東京でも吉村人気を実感させた

過去の大阪に戻さないことにこだわることは、有権者から信託を受けた為政者としての責務です。だからと言って、直近の10年の大阪府政・大阪市政への点検・総括を怠ることは許されません。 維新の創始者でもある松井一郎さんは、今回の統一地方選をもって政界から引退しました。吉村知事は2015年からの4年間を市長として、2019年からの4年間は知事として松井一郎さんとともに大阪の政治を担ってきました。そのため、吉村知事が松井府政・松井市政の計8年間を点検・総括することは自己否定にもつながる部分があります。その点検・総括は、やりづらいと感じることもあるでしょう。それでも、やらなければなりません。 なぜなら、維新最大のセールスポイントは、“身を切る改革”であり、 “府民・市民の方を向いた政治”だからです。 現在の府民・市民に立場になって、それまで維新が取り組んできた政策は有益なのか? 必要なのか? を点検・総括をしていかなければなりません。前任者に忖度して、すべて正しい政策とするならば、これまで維新が否定してきた政治と同じになってしまいます。 大阪府知事選・市長選に勝利した吉村・横山両候補ですが、真価が問われるのは今後の4年間です。 <文・撮影/小川裕夫>
フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。首相官邸で実施される首相会見にはフリーランスで唯一のカメラマンとしても参加し、官邸への出入りは10年超。著書に『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)などがある Twitter:@ogawahiro
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