維新の圧勝で終わった大阪ダブル選。熱狂を後押しする大阪の「特異な事情」
4月9日、各地で統一地方選が投開票されました。統一地方選は大規模な選挙になるため、今春は4月9日の前半戦と4月23日の後半戦の2回に分けて実施されます。そのために4月9日が前半戦、4月23日が後半戦と呼ばれます。
国政には課題が山積していますが、国政とは別の課題を抱えている地域はたくさんあります。それだけに、国政とは異なる選挙戦が繰り広げられることは珍しくありません。そうした特異な事情を抱える地域の中でも、特に注目されていたのが大阪府と大阪市です。
2023統一地方選の前半戦となる4月9日は大阪府知事選と大阪市長選、さらに大阪府議選と大阪市議選が投開票されました。首相官邸・永田町取材歴15年、大阪府政・市政の取材を10年以上にわたって続けてきたフリーランスライター・カメラマンの小川裕夫が大阪の選挙を解説します。
国政では自民一強と言われる時代が2012年以降から長く続いてきました。2022年夏の参院選で自民党は63議席を獲得。非改選の56議席と合わせると119議席になり、選挙前の議席数から8も増やしています。
そんな自民党ですが、大阪では苦戦を強いられています。それは昨夏の参院選だけの話ではありません。一昨年に実施された衆議院議員選挙では、19ある大阪の小選挙区から一人も当選できず、比例復活できたのも13区の宗清皇一候補と19区の谷川とむ候補の2人にとどまりました。
統一地方選の前半戦となる4月9日に投開票された大阪府知事選・大阪市長選・大阪府議選・大阪市議選の4選挙でも維新が圧勝。特に府知事選と市長選は、NHKが投票を締め切った20時と同時に当確を打っています。維新がふたつ首長選を制したことで、これから4年間は維新政治が継続されることになりました。
大阪での選挙結果を見ると、国政選挙で無類の強さを発揮している自民党が大阪では壊滅と言っていい状態に追い込まれています。他方、維新は大阪で10年以上にわたって多大な支持を集めてきました。
大阪の特異な事情は、よその地域に身を置いていると実感しづらく、それを知らなければ「維新が大阪で絶大な支持を得ている理由」を理解できません。維新の強さを少しでも理解するためには、その成り立ちを抑える必要があります。少し長くなりますが、おさらいがてら説明していきます。
大阪の4選挙は維新の圧勝
大阪の「特異な事情」とは
フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。首相官邸で実施される首相会見にはフリーランスで唯一のカメラマンとしても参加し、官邸への出入りは10年超。著書に『鉄道がつなぐ昭和100年史』(ビジネス社)、『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)などがある Twitter:@ogawahiro
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