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「年間156億円」プロテインを売る“女性専用フィットネスクラブ”したたかな戦略

現在、プロテインは、筋トレだけを目的とせず、美容や健康を目的として多くの人が飲み始める成長市場だ。すでにプロテイン関連市場は2000億円以上、そのうち世にいう水に溶かして飲むプロテインパウダー市場が1000億ほどの市場規模になっている(※富士経済グループ調べ)。 そして、プロテインといえば多くの人が思い浮かべるのが、ドラッグストアなどで売られている明治のSAVAS(ザバス)だろう。同社のIR資料を読み解くと、SAVASはおおよそ年間約500億円の売上を叩き出していると推定される(※2)。 しかし、このSAVASを追うように、プロテインの売上をたたき出しているのが、カーブスだ。一体なぜカーブスはここまでプロテインを売れるのか。 これまでカーブスを分析する記事として、プロテイン販売が好調であることや、会員の継続率に注目するものはあったが、それを実現できている背景まで踏み込んだものは少なかった。今回の記事は、その点に着目して掘り下げていく。
カーブス

カーブス都立大学

会員からのプロテインの売上は「年間156億」

カーブスとは、アメリカで誕生した1セット30分で運動を手軽にできる女性向けフィットネスチェーンだ。日本でも主婦層を中心に、忙しい家事や子育ての合間に手軽に運動ができるということで人気を集め、全国1900店舗を超え、会員数は約75万人に膨らんでいる。 そして、一般的にはあまりプロテインを飲まない主婦層にオリジナルのプロテインを販売することで、会員からのプロテインの売上が年間156億を超え、会社全体の売上の275億円の50%以上を占めるほどに拡大しているのだ(※3)。

4人に1人の会員が買っている計算だが…

単純計算すれば、一店舗で約80万円の売上、プロテイン一袋は6326円なので、一店舗で約150袋を販売している計算になる。カーブスの全国の会員数75万人を考えると、約4人に1人、つまり25%の顧客がプロテインを買えばこの数値目標を達成できる計算だ。 ここで、「プロテインを4人に1人売ればいいのか。簡単だな」と今思った方はおそらく小売店関係者やフィットネス関係者ではないはずだ。これは店舗商売をしている人にとっては、かなり高い割合なのである。 4人に1人の会員にプロテインを売る……かなり精緻な戦略を練らなければ達成できない数値である。
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女性たちの心を掴んで離さない「作り込み」
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