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人気競馬予想家が「絶対にオススメしたい競馬本」3選

競馬とともに生きてきた著者のフレーズの数々が突き刺さる

競馬

ディープインパクトの強さの源はストライドにあった 
写真/橋本健

 2冊目は『競馬どんぶり』(浅田次郎著:幻冬舎アウトロー文庫)です。  直木賞作家として数々の名作で知られる浅田次郎氏ですが、実は大の競馬好きで、馬主でもあります。「数十年競馬とともに生きてきた」と話す浅田氏の経験、そしてそこから溢れ出る珠玉のフレーズの数々が収録されたエッセイ集です。  前半は浅田氏の自伝に近いもの。ノミ屋をやっていた過去から、思い出のレース、そして馬券まで酸いも甘いも余すことなく語られています。オールドファンにとっては恐らく懐かしく、また多くの昭和の名馬が登場するので、今の若いファンの方にとってはある意味古典を読むような楽しさもあるはずです。  もちろん、ただの思い出話に非ず。資金管理についての考え方や、どういった気持ちで競馬に臨むのか、本気で競馬とともに生きてきた著者だからこそ語れるエピソードが満載です。発売は20世紀末と、かなり古い本ですが、電子版が発行されているのも嬉しいですね。

競走馬の心理を読み解く

 3冊目は『馬はなぜ走るのか やさしいサラブレッド学』(辻谷秋人著:三賢社)です。  ふと考えると、競走馬はなぜ走るのでしょうか? 本当に好きで走っているのか、それとも……? 改めて問われると、キャリアの長いファンの方でも答えに窮してしまうのではないでしょうか。本書はそんな根源的な疑問を解き明かしています。  また、とても興味深いのがディープインパクトの現役時代のピッチやストライドについての解説です。平成の最強馬といわれるディープインパクトですが、それは数値を見ても明らかに通常の馬とは異なっており、ストライドの大きさとピッチの速さという点でもかなり優秀で、とりわけストライドは平均値と比較しても図抜けていた、その詳細を解き明かしています。  普段何気なく見ている競馬ですが、本書を読むとなぜ馬が走るのか、どういった状況でより速く走るのか、今まで思いつかなかった視点が網羅されています。馬券にすぐに生かせるというものではないかもしれませんが、より競走馬の特徴を捉え、馬という生き物への理解を深めることができる一冊です。  以上、今回は競馬をただのギャンブルとしてではなく、より深く楽しめるようになる3冊をご紹介しました。在宅が増えがちな梅雨シーズン、しばしの息抜きに読書を楽しんでみてはいかがでしょうか。 文/TARO
競馬予想ブログとしては屈指の人気を誇る『TAROの競馬』を主宰する気鋭の競馬予想家。12月5日に最新刊『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』(オーパーツ・パブリッシング)が発売になった。著書は他に『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(扶桑社)が発売中。
馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる

TARO氏が『馬券力』について徹底究明した一冊。

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