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「波乱続きの2歳戦」がビッグチャンス!その理由を馬券の達人が徹底解説

2歳戦で無敗の1番人気馬が大不振

競馬

2019年の阪神JF。勝ったのは、1.8倍の断然人気に推されたリアアメリアではなく、同じく2戦2勝のレシステンシアだった

 今年の競馬もいよいよラスト3週間余りとなりました。年末のビッグレースといえば有馬記念! ……ですが、同時に2歳戦の最盛期。阪神JFを皮切りに、朝日杯FS、そして有馬記念のあとのホープフルSとG1だけで3レースも行われます。  そして今、2歳戦が荒れに荒れています。2022年になって2歳重賞は合計11レース行われましたが、そのうち1番人気馬の勝利はたったの1度だけ。特に単勝1~2倍台の抜けた1番人気馬が7頭出走して未だに勝ち星ゼロという状況になっています。  そのなかでも、とりわけ「無敗の人気馬」が人気を裏切るケースが多発しています。以下は、今年の2歳重賞で1番人気に支持された無敗馬の成績です。 函館2歳S スプレモフレイバー 1番人気8着 小倉2歳S プロトポロス 1番人気4着 サウジアラビアRC ノッキングポイント 1番人気4着 アルテミスS リバティアイランド 1番人気2着 京王杯2歳S ロンドンプラン 1番人気14着 ファンタジーS アロマデローサ 1番人気10着 デイリー杯2歳S ダノンタッチダウン 1番人気2着 東京スポーツ杯2歳S ハーツコンチェルト 1番人気3着 京都2歳S グランヴィノス 1番人気6着  ご覧の通り、人気を裏切り続けています。 

2歳戦は能力以外で人気が決まる

 なぜこれだけ荒れるのかというと、2歳戦においては人気=実力とはならないためです。キャリアが浅くそもそも実力がまだわからないということもありますが、何より、デビュー前に評判になった馬や血統的に話題を集めた馬などが能力以上に人気になるためです。  例えば、今週末の2歳女王決定戦・阪神ジュベナイルフィリーズ。このレースで3年前に断然の支持を集めた馬を覚えているでしょうか? その答えは、リアアメリア。2戦2勝だったリアアメリアは、 ・デビュー前から評判 ・良血のディープインパクト産駒 ・無敗 という背景が後押しし、単勝1.8倍の断然人気でした。当時はずいぶんな騒がれようで、一部では「怪物牝馬」などという声も挙がるほどでした(今でも「リアアメリア+怪物牝馬」と検索すれば、当時の記事が出てきます)。  しかし、結果は6着と惨敗。同じ2戦2勝の重賞勝ち馬ながら、単勝11.2倍の4番人気だったレシステンシアが勝利しました。その後レシステンシアはG1で好勝負を繰り返し、海外G1でも活躍するほど出世し今なお頑張っている一方、リアアメリアはその後ローズSの1勝のみ。今思い返すと、そもそもレシステンシアの方が強かったということです。  このように、キャリアが浅いゆえにある種のミーハー的な人気になるのが2歳戦なのです。そう考えると、逆にチャンスレースともいえます。
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難解なレースはむしろチャンスとなる理由
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