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1998年のベイスターズ優勝メンバー、ボビー・ローズがSNSで「意外なメッセージ」を発信する理由

1998年の優勝を想起させる公式戦最終戦

1998年の遺伝子の胴上げ

1998年、優勝時の胴上げ

 交流戦最終戦は、しびれる展開で進んだ。相手ベンチには北海道日本ハムファイターズを指揮する新庄剛志。  1998年10月8日。甲子園球場で進藤達哉が逆転の2点タイムリーを放ちベイスターズは優勝を一気に手繰り寄せた。1点リードで迎えた最終回2死。抑えのエース大魔神・佐々木主浩が新庄を打席に迎えた。フルカウントからのフォークボールに新庄のバットは空を切りベイスターズは38年ぶりの優勝を決めた。  勝利して、自力ですっきり初優勝を決めたかった今年の交流戦最終戦。1対1の同点で迎えた7回裏、ベイスターズはキャプテンの佐野恵太がセンターに2点タイムリーを放って勝ち越し、それは進藤達哉のタイムリーヒットと重なった。  交流戦の初優勝までアウト6つ。新庄監督率いるチームを倒し、ベイスターズが優勝。美しいシナリオは整った――はずだった。

優勝目前の延長10回表。運命の結果は?

 そして、迎えた3対3の延長10回表。抑えの山崎康晃が、万波中正にレフトスタンドへ決勝アーチを許した。  月曜の午後10時。トランペットの応援が鳴りやんだあとも満員の観客は席を立たず、最後まで選手に声援を送った。ベイスターズのチャンスには、ライトスタンドから地鳴りのような大歓声が響くスタジアム。それは25年前の優勝時、身震いしながら、そして勇気をもらったあの声援と同じだった。
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ボビー・ローズからの意外なメッセージ
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1973年、神奈川県生まれ。日大芸術学部卒業後の1997年、横浜ベイスターズに入社、通訳・広報を担当。'02年・新庄剛志の通訳としてMLBサンフランシスコ・ジャイアンツ、'03年ニューヨーク・メッツと契約。その後は通訳、ライター、実業家と幅広く活動。WBCは4大会連続通訳を担当。今回のWBCもメディア通訳を担当した。著書に『大谷翔平 二刀流』(扶桑社)ほか

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