更新日:2023年08月28日 12:12
スポーツ

バスケW杯がついに開幕。覚えておきたい「日本代表の注目選手3名」

日本の生命線は3ポイントシュートの成功率

富永啓生

富永啓生は日本屈指の3ポイントシューター

 今回の日本が武器とするのが、3ポイントシュート。スピードで相手を上回ることで先手を取り、コートを広く使ってチャンスを作り、3ポイントシュートを決めていく。ヘッドコーチ(HC)のトム・ホーバスは、このスタイルで女子日本代表を東京オリンピックの銀メダルへと導いた。  先週、有明アリーナで行われた国際強化試合が3試合いずれもそうだったように、2点シュートと比較すると2倍近い数の3ポイントシュートを放っている。打てるチャンスがあれば躊躇なく打つ。ホーバスHCが選手に一番求めるのは打つことだが、シュートは決めなければ意味がない。理想で言えば40%以上の成功率を求めたいところだが、先の国際強化試合での3ポイントシュート成功率は26.8%、29.5%、21.7%と低調だった。  そういったなかで富永啓生だけはアンゴラ戦、フランス戦で3ポイントシュートの成功率が40%を超えた。しかし、その彼も最後のスロベニア戦では、12本中2本の成功と不発に終わっている。

成功率を上げるために必要なのは…

 3ポイントシュートをメインに据える日本代表だけに、3ポイントシュートを得意とする選手だけが集められている。それでも、この数字が上がってこないのは打つことだけに意識が向き、体勢不十分なままでのシュート、ディフェンスを崩さないまま無理に打つシュートが多発していることを意味する。  それぞれがスキルを高めて集中して放つことで成功率を上げていくことも大事だが、チームの戦い方として効果的に2点シュートを狙ってそれを決めることで、3ポイントシュートの成功率も上げていくことも考えられるはずだ。日本が3ポイントシュートを多投してくることは相手チームも理解しており、3ポイントシュートを警戒して前に出て守ってくる。そうなると裏のスペースが空くのだが、ここを突く攻めがなかなか出せていなかった。  1回、2回と効果的にインサイドを攻めて得点を奪えば、相手は守備のアプローチを変えざるを得えず迷いが生じる。そうなれば3ポイントシュートはより良い形で打てるようになり、成功率が上がってくるだろう。逆説的だが、3ポイントシュート成功のカギは2点シュートなのだ。
次のページ
馬場雄大のゴールに向かうドライブに期待
1
2
3
フリーランスのスポーツコンテンツエディター。Bリーグ創設の2016年に立ち上がった日本最大級のバスケットボール専門メディアの専属ライターおよび編集者として取材を行い、Bリーグ、Wリーグ、日本代表、高校バスケや大学バスケなど幅広くバスケットボールを取材。今もバスケを中心に多くのスポーツコンテンツ制作を手掛ける
記事一覧へ
おすすめ記事