更新日:2023年08月28日 12:12
スポーツ

バスケW杯がついに開幕。覚えておきたい「日本代表の注目選手3名」

馬場雄大のゴールに向かうドライブに期待

馬場雄大

ドリブルで切り裂きゴールへ向かうドライブを得意とする馬場雄大

 そこで期待したいのが馬場雄大だ。ここまでの強化試合を見ても、リングにアタックする勢い、相手ディフェンスに押し負けないフィジカルの強さ、ゴール下でのフィニッシュの精度で、馬場は渡邊にも引けを取らない力を発揮している。ただ、3ポイントシュートを多投しすぎて、彼のインサイドを突くドライブの機会が少ないのが現状だ。馬場のドライブをチームとしてオフェンスに組み込み、切り込んだゴール下で迫力ある得点を決めてくれれば、日本の攻めには良い流れが生まれることだろう。  馬場はBリーグの若きスター選手として大活躍していたが、NBAを目指して海外に挑戦の場を移した。それ以降、彼のプレーを見る機会は激減した。それでも彼は着実にレベルアップしており、万全のコンディションでワールドカップを迎えている。海外の屈強な選手と戦ってきた経験は渡邊に次ぐものがあり、そのダイナミックなプレーが前面に出ることは、日本代表にとって大きなプラスとなる。

本家のように“したたかさ”を発揮すべき富永啓生

 もう一人のキープレーヤーが日本代表の戦術を体現するシューターで、先の国際強化試合3試合ではいずれもチーム最多のシュートを放った富永啓生である。強引に放つタフショットをリングにねじ込み、派手なガッツポーズで会場を沸かせる彼は、「和製ステフィン・カリー」と呼ばれることもある。だが、本家のステフィン・カリーは自分を警戒するディフェンスを逆手に取り、相手を引きつけてパスを出すことでチャンスメークもできる。  最も多くのシュートを放ち、難しいシュートでも強引に決めきる富永に相手ディフェンスの警戒が集中するのは間違いない。そのなかでタフショットを打ち続けるのではなく、広い視野を持って冷静な判断でパスをさばけば、チームメートはより良い形でシュートを打て、チームとして3ポイントシュートの成功率は必ず上がる。強引に打ち切る積極性も必要だが、カリーのような“したたかさ”も発揮してほしい。  東京オリンピックでは3人制バスケ「3×3」で出場していた富永は、ゴール下にドライブしてのシュートでも非凡な力を持つ。馬場に期待するように、富永も裏のスペースを突いて2点シュートを決めれば、同様の論理でチームとしての3ポイントシュート成功率は上がり、日本の勝機が見えてくる。 <TEXT/章本梨央>
フリーランスのスポーツコンテンツエディター。Bリーグ創設の2016年に立ち上がった日本最大級のバスケットボール専門メディアの専属ライターおよび編集者として取材を行い、Bリーグ、Wリーグ、日本代表、高校バスケや大学バスケなど幅広くバスケットボールを取材。今もバスケを中心に多くのスポーツコンテンツ制作を手掛ける
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