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“推し”への課金で地獄を見た女性「貯金250万円がゼロに、消費者金融に手を出して…」

 9月上旬、“推し”のアイドルのライブ配信に課金するため、勤務先で得た顧客のクレジットカード情報を不正利用していた疑いで愛知県あま市に住む女性が逮捕された。警察の調べによれば、顧客25人のカード情報で総額870万円分にも及ぶという。SNS上では、驚きの声が多数あがっている。
ライブ配信をする若い女性

※写真はイメージです。以下同

 “推し活”が趣味で生きがいになっている人も少なくないはずだが、身の丈以上の課金で身を滅ぼさないように注意が必要だ。今回は、重課金がきっかけで「地獄を見た」という人のエピソードを紹介しよう。

ライブ配信の課金がきっかけで…

 冒頭のニュースを見て「他人事ではないと思った」と話すのは、東京郊外のスナックに勤務する中村彩華さん(39歳・仮名)。  彩華さんがライブ配信アプリで推し活をしていたのは約2年前。学生時代から某有名男性アイドルグループの熱心な追っかけをしていたというが、その推しにそっくりな配信者を見つけたことが始まりだった。 「Twitter(現X)で推しを見つけて、あまりの顔面偏差値に驚きました。ライブ配信なんて興味がなかったけど、本当にイケメンなのかどうなのか確かめてみたいと思って、アプリをダウンロードして覗いてみたんです」  ライブ配信は課金しなくても無料で見ることができる。当初は課金するつもりはなかった彩華さんだったが——。

“たった1000円の課金でこんなに喜んでもらえるの?”

「スマホの画面に映る彼のあまりのイケメンさに驚きました。無課金で無言で、ただただ見ているだけでも良かったんですが、“入室料金”的に少しは支払わなければと軽い気持ちで課金したんです」  初めての課金は1000円だった。その途端、男性は過剰に喜び、彩華さんの名前を呼びながらお礼を言った。 「ビックリしました。“え、たった1000円でこんなに喜んでもらえるの?”って。私が長年追っかけをしていた男性アイドルはドームツアーをやるレベルで、1万円近いチケットが抽選で当たるか当たらないか(苦笑)。ライブ中に自分の名前を呼んでもらえることなんてあるわけがないし、そもそもよく見える席が当たったこともないし。それが、ほとんど顔面偏差値が変わらない人がスマホの画面越しから自分の名前を呼んで、満面の笑みで感謝してくれる。ハマる要素しかなかった」
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イベントでは“推しを負けさせたくない”
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ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720

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