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“推し”への課金で地獄を見た女性「貯金250万円がゼロに、消費者金融に手を出して…」

“推しを負けさせたくない”イベントでは50万円も課金…

お金と通帳 推しが配信する日は必ず見にいくようになった彩華さん。1000円が5000円に、5000円が1万円に……課金する金額が増えるたびに、面白いほど推しの対応は良くなっていったそうだ。 「会ったこともないのに、毎日のように配信を見てアプリ越しで会話をするので、知り合いのような変な錯覚に陥りました。ただ毎日配信を行うだけではなく、毎月のランキングみたいなものがあり、1ヶ月の貢献度が高いと推しから特典を送ってもらえたりするんです」  彩華さんは平均で月5万円ほどの課金をしていたというが、「他のファンに比べたら少ないほうでした」という。そんな彼女の最高課金額は50万円。そこまで大きく課金するようになったのはなぜか? 「イベントです。簡単に説明すると、数人のライブ配信者が、アプリ内のアイテムの数などで対決をするのですが、要するにリスナーの課金額が大きく関わってくる。1番だった人が、何らかの芸能関係の仕事をもらえたりするんですが、いざイベントが始まってみると、リアルタイムで順位が出るので、“推しを負けさせたくない”って気持ちが湧いてきて、どんどん課金してしまいました」  事件の容疑者はSNSに、イベントで勝たせてあげられないことに対してあやまるような投稿をしていたそうで、彩華さんは深く共感したのだとか。  とはいえ、彩華さんは大きく課金をしたことで「イベントのたびに推しにはアテにされ、ほかのリスナーからはライバル視されるようになってしまいました」と当時を振り返る。 「もう推しの応援とかではなくなっていました。この枠の中で1番でいたい、ほかのリスナーに負けたくないと言いますか……。もはやファン同士の課金額の競い合い。推しのお礼なんかよりも、誰よりもたくさんのアイテムを投げられるかが重要になってしまって」

貯金250万円がゼロに…

肘をついて考え込む女性 最終的には「貯金250万円を使い果たし、消費者金融に手を出してしまった」という。借金が100万円を超えたところで、ようやく我に返ったそうだ。彩華さんは「いま、ようやく残りの返済額が70万円を切りました」と苦笑いする。 「すっからかんになっても課金がヤメられなくて、スナックで働いたお金では足りなくなって。アウトローなお客さんに『違法な店で働かないか?』と誘われて、“もっと課金できる”と思って、迷いました。ただ、やっぱり捕まるリスクがあるし、ビビりなので踏みとどまったんです」  その後は配信を見ることはなくなったそう。「借金を返済し終えるまでは配信アプリを開かないようにしています」と彩華さんは言うが、推しの動向は常にSNSでチェックしており、“禁断症状”のように配信が見たくてたまらなくなることもあるようだ……。  気分転換に推し活するのは構わないが、身を滅ぼしては身も蓋もないだろう。 <取材・文/吉沢さりぃ>
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
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