過酷なトレーニングで吐血、猛烈なバッシング…新世代の大食い王が“それでも食べ続ける”理由
2023年5月に放送された『最強大食い王決定戦2023』(テレビ東京系)は、アンジェラ佐藤や、らすかる新井など日本の大食いトップ選手の他、世界ナンバー1の“異次元女王”モリーや、“レジェンド”木下智弘まで参戦し、当代最強とも言えるメンバーが揃った。
しかし、下馬評を覆すように優勝をかっさらったのはカワザイル(河田大志)なる人物だった。大食い界の表舞台に突如として現れた彼は一体何者なのか。本人を直撃した。
――今回の大会、優勝する自信はあったんですか?
カワザイル:最初から優勝するつもりで挑んでいました。準優勝した木下さんとアメリカ人選手のモリー選手がかなり強敵で、この二人がキーマンになってくると思って戦っていましたね。
――ライバル二人の凄さはどんな部分ですか?
カワザイル:木下さんはキャパがあることはもちろんなんですが、いまだに未知数というか計り知れない凄みがあります。日本だと、多くの大会で制限時間が45~60分ですが、アメリカではだいたい10分前後での勝負。そんな短期決戦を主戦場にしているモリーさんは、飲み込む力が別次元です。終盤にこちらが遅くなってきても、ペースが落ちないので追い込みがすごいんですよね。
――誰もが認める強敵を倒しての優勝。その時の気持ちを教えてください。
カワザイル:優勝が決まった瞬間は、頭の中が真っ白でした。嬉しいとか達成感というより、無になってましたね。それからじんわりと、大食いを初めて今までの辛かったことや嬉しかったことが思い出されて、涙してしまいました。そして「諦めずに日本一に向かって突き進んでよかったな……」という気持ちがこみ上げてきましたね。
――今まで辛かったご経験もあったんですか?
カワザイル:過去に炎上したことがありまして。大食いを始めて2年目くらいのことなんですが、バッシングが酷い時期があったんです。アンチの人たちに何かを言われるのは仕方ないのは、その時も今も理解して活動していますが、同じフードファイターの方からも、SNSで批判的なことを言われたので辛かったですね。まだ大食いの実力もついていなかったので、病んでしまって大食いを辞めようと考えていました。
――それでも続けてこれたのはなぜですか?
カワザイル:やっぱり、少ないながらも応援してくださる方がいたからです。引退を考えているということを言ったら「私たちのように応援している人もいるから、そんな人たちのためにも活動を続けてみたら?」と言われて、もう一度頑張ろうという気持ちになりました。
あと、やっぱり結果を残せたときの喜びは大きいですね。結果が出なかった時期も長かったので、今は食べた量が数字で出たり、優勝という形になったりして結果が出ることが喜びにつながって、今後もフードファイターとして生きていこうと思えますね。
――目に見える結果はモチベーションになりますよね。
カワザイル:そしてなにより、食べることが好きということは大前提にあります。そして、子供の頃からファンだったフードファイトの世界に居られることと、フードファイトをやっている時が一番楽しいです。
優勝時に達した「無」の境地
バッシングを受けるなか、続けてこれたのは…
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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