エンタメ

消息不明の元プロレスラー・中西学、意外な所で働いていた。54歳で初の一般職という挑戦

生きていくためにはなんでもしなきゃならない

元プロレスラー・中西学_1

自分がどれだけ恵まれた環境にいたかが身に染みました

――ガスステーションには週何日勤務されていますか? 中西:週6日、月曜から土曜の朝8時から夜19時までです。休みの日曜も職場で用事をしたり、プロレス関係の仕事をしたりなので、現役時代よりも今のほうが忙しいかもしれません。 ――高校時代からレスリングに打ち込み、そのまま54歳までその道一筋でしたが、一般職をやってみた感想は? 中西:……はっきり言って、迷惑かけっぱなしです。最初のころなんかはお客様の車をこすってしまったり、今でもミスをしては方々に頭を下げて回る日々。そうやって謝って回っているうちに一生が終わってしまいそうやなと(苦笑)。こんなに自分は何もできへんのか、と身に染みています。 ――リング上とはまた別の闘いをしているわけですね。 中西:高校生でも受かるような危険物取扱者の試験を受けたんですけど、10回以上連続で不合格。試験は終わった人から帰るんですが、いつも最後に残るのは自分だけ。試験官にも顔を覚えられてしまいました。こんなおっさんが一人残っていて、ほんまにかっこ悪いし悔しかったですね。でもそんなことも言っていられないですから。 ――かっこ悪い思いをしながら何度も挑戦する、なかなか普通の人にはできないです。 中西:生きていかなあかんのでね。現実がわかってきたんです。今思い返せば現役時代、僕のために面倒くさい仕事をしてくれている人たちがたくさんいました。いかに見栄えのいい仕事だけをやらせてもらっていたのか、自分がいた環境のありがたみに気づかされましたね。まぁ、試験のほうはなんとか合格できたんですけど、次の試験も難しい。勉強の日々です。
次のページ
プロレスがなかったら何も希望を持てなかった
1
2
3
4
おすすめ記事