エンタメ

消息不明の元プロレスラー・中西学、意外な所で働いていた。54歳で初の一般職という挑戦

プロレスがなかったら何も希望を持てなかった

元プロレスラー・中西学_2――新日本プロレスとの現在の関係はどうなっていますか? 中西:タレント契約をさせてもらっていて、そこから収入もいただいています。獣神サンダーライガーさんの引退以後、そういった新たな契約ができたんです。引退した選手にも手厚くなりました。まさか僕も契約をしてもらえるとは思いませんでしたが……。 ――いい会社ですね。プロレスラーのセカンドキャリアも変わりつつあります? 中西:昔のレスラーは「飲む・打つ・買う」の盛んな人が多くて、実社会でまともに働ける人は少なかった。だから引退しても飲食店か用心棒くらいしかなかなか道がなかったんです(笑)。それが今の若い選手はみんな空いている時間はネットを使って情報を集めて、自分に足りないものを勉強している。きちんと一般の社会人の感覚を身につけているコも多い。ただ、僕は不器用なので若いコたちと同じようにいかないですが。 ――引退会見で「第二の人生を思いっきり歩んでいきたい」とおっしゃっていましたが、実現できていますか。 中西:思いっきりというより、“なんとか”歩めてますね(笑)。ただ、プロレスラー時代も決して順風満帆だったわけじゃないですから。団体最高峰のIWGPヘビー級王座を獲るのにも17年かかりましたし、首に大怪我をして悔しい思いもたくさんしました。それでも周りのおかげでなんとかやってこられた。これからも人に感謝する気持ちを持って不器用ながらもなんとか生きていきます。 ――不器用でも前に進む、カウント2.9からでも諦めない。まだ、プロレスラー・中西学の魂があるように感じます。 中西:たとえ試合はしなくなっても、一度プロレスラーになったら、“プロレスラーとしての気持ち”は持ち続けていないとあかんなと。生活の細部まで、現役の時と同じように気を使いたい。僕のなかの理想のプロレスラーは“気は優しくて力持ち”。せわしない日々の生活の中で、そんな理想を保ち続けるのは難しいですけど、困難に挑戦し続けるのもプロレスラーだと思うんです。
次のページ
中西学にとってプロレスとは
1
2
3
4
おすすめ記事