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「街から書店は消えてしまう」全盛期には50店舗以上あった書店チェーンも今や本店のみに

コロナの影響で多くの「定期購読」が解約

雄峰堂書店

ネクタイや折りたたみ傘、たばこなど社会人に需要のある商品が置かれているのは特徴的である

――近年の売上はどのように推移されていますか? 山森:電話がかかってくるときは、良い話(新規契約、新規注文、定期数増など)よりも、悪い話(定期中止、雑誌の休刊、廃刊、出版社の事業停止、週刊誌の合併号増など)のほうが圧倒的に多いです。新型コロナウイルスの流行が及ぼした影響も大きいですね。美容院さん、病院さん、薬局さんなどに雑誌を配達していましたが、全てお届け中止になってしまいました……。いまだに、それらの定期分はまだ戻ってきません。

このままでは街から書店は消えてしまう

雄峰堂書店

店内に貼られている「先週の売上ベスト5」。案の定、軒並み金融系のタイトルだ ※9月20日撮影

――どうしても暗い話が続いてしまいますが、世の中にこれからどうなってほしいと思いますか? 山森:私が若いころは電車に乗れば 新聞、雑誌、文庫本を読んでいる人が沢山いました。しかし、50歳になった今では電車に乗っている人のほとんどがスマホを触っています。それを裏付けるように全盛期には50店舗以上あった雄峰堂書店が、今は個人経営の兜町店1店のみです。間違いなく言えることは、このままでは街から書店は消えていきます。 ===== 「1日1日時間を大切に、お客さんとお話しできる時間を楽しみながら、一生懸命頑張っていきたいです!」と山森氏は語気を強める。 私たちの生活から書店がなくなる日も遠くはないのかもしれない。閉店が決まってから、盛況になる店や施設の映像を度々目にするが、それでは遅い。「1日1日時間を大切に」は、書店側だけの言葉ではなく、私たちにも向けられた言葉であると認識しなければならない。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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【雄峰堂書店兜町店】
住所:東京都中央区日本橋兜町12-7 兜町第三ビル1階
営業時間:
(月)~(金)10:00~19:00
(土)作業中のみOPEN 11:00~15:00頃
(日)(祝)休み

※『四季報』発売日は7:00より営業
※「オンライン書店 e-hon」加盟店

アクセス:地下鉄東西線茅場町駅10番出口徒歩1分 都営浅草線日本橋駅D1出口徒歩4分
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