リニューアルはMacBook Proだけ
Appleは現在、大きく分けて2種類のMacノートを販売している。
ひとつは
「MacBook Air」で、軽量化を優先したモデル。画面のサイズは13インチか15インチで、M1チップ採用以降は、冷却用ファンを搭載しない完全な“ゼロスピンドル”仕様となっている。エントリーモデルとしての位置付けで価格も安く、一番の売れ筋である。
対するは
「MacBook Pro」で、こちらは14インチと16インチの2サイズを展開。冷却用ファンを搭載しており、なおかつ内部のエアフロー(空気の通り道)を考慮した設計のためMacBook Airより少し大きいが、高い処理能力を持っている。
内部的には大幅にパワーアップしているが、外見は前世代までのものと同一である
今回モデルチェンジされたのは、後者のMacBook Proのみだ。したがって、M3シリーズの性能をいち早く体感したいなら、MacBook Proを買い求めるしかない。円安のうらみもあって、MacBook Proの販売価格は248800円からとなっている。
背景には、高価なMacBook Proを積極的にセールスしたいという意図が見て取れる。しかし順当に行けば、売れ筋のMacBook Airも、遠くない将来M3モデルにリニューアルされるだろう。M3 PROやM3 MAXを搭載する上位モデルを買うのでなければ、MacBook Airを待つのも手である。
とはいえ、さらなる円安への懸念は絶えない。もしも今後、2022年のように急激な相場変動があった場合、
次世代のMacBook Airのエントリーモデルが20万円近い価格になってしまう可能性もあるのだ。
新しいMacBook Proの全貌。最大22時間稼働というバッテリー効率が目を引く
それならいっそ、できたてホカホカのMacBook Proを早く買うべきだという理屈も成り立つ。難しいところである。
ディスプレイ一体型のデスクトップとして人気のiMacも、M3にアップデートされた。これまで販売されていたiMacのチップは2世代前のM1だったので、一足飛びのモデルチェンジということになる。M1モデルからの性能向上は、最大で約2倍だという。
iMacの高精細ディスプレイ、そしてM3チップの性能をフル活用したゲームプレイの様子
注目すべきは、プレゼンの過程で、Intel製CPUを搭載した27インチのiMacに言及したことである。同モデルは人気が根強く、多くの家庭やオフィスで使われている。Appleは「2.5倍の性能向上になる」と買い替えを勧めているが、果たして思惑通りに行くのだろうか。
「平成時代の子ども文化」全般を愛するフリーライター。単著に『多摩あるある』と『オタサーの姫 〜オタク過密時代の植生学〜』(ともにTOブックス)ほか雑誌・MOOKなどに執筆
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