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サイゼリヤが“日本では赤字”でも、コロナ禍前より高い利益を叩き出す理由

「直営店を230店舗縮小した」ジョイフル

 ジョイフルは原価がほとんど変化していませんが、販管費が下がっています。すかいらーくよりもやや低い62.9%となりました。原価率はほとんど変化していません。2022年9月に値上げを行い、2023年4月、9月にも価格改定を行っています。巧みな値上げによって原価をコントロールしている様子が分かります。  販管費率が下がっているのは、店舗数を大幅に縮小したためでしょう。2019年6月末時点では直営店は834でしたが、2023年6月末には604まで下がっています。直営店は4年間で230店舗も減少したのです。  もともと利益率の高い会社とは言えませんでした。コロナ禍という逆境をバネにして店舗を縮小し、稼ぐ力を高めることができたのでしょう。  すかいらーくは3000近い巨大な店舗網を構築しながら、原価率・販管費率ともに大きく変化しないという驚異的な安定性を保っています。徹底的にコストコントロールを効かせていることが、この会社の強さだと言えるでしょう。同社は2022年12月期に55億7500万円の営業損失を計上しましたが、2023年12月期は100億円の営業利益を出す見込みです。 <TEXT/不破聡>
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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