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「電話恐怖症」とは無縁の中高年をテレアポ担当にしたら、想像以上に活躍した話

電話業務は「克服すべきこと」なのか?

テレアポ

写真はイメージです

 その一方で、電話が苦手だという若手を「ダメ」と決めつけるのは早計だろう。  私自身も電話をかけることはさほど苦にならないが、電話だと「言った」「言わない」の話が発生し、自由な時間に連絡ができず、双方が時間を拘束されてしまう点は不便であり、メールやチャットのほうが便利だと思っている。  そういった意味では、半分くらいは「電話恐怖症」にも共感できる。  一方で、そもそも何かの疾患とセットの場合はさておき、克服の努力をしていないか、克服の方法を間違ってしまったのでは、と考える部分もある。 「電話恐怖症」に限らず、社会人になるまで不慣れだったことに初めて直面することは多いだろう。私自身、学生起業してサラリーマン経験をせずに経営者となったため、誰が教えてくれるでもなく、初めてのことを繰り返しながら今に至る。営業マナーも学ぶ機会がなかったので、自社に営業に来た営業マンを質問攻めにして学んだほどだ。  苦手なことであっても、それを乗り越えていく場面が仕事では多くある。また、上司やメンターの立場になれば、新人の苦手意識の正しい克服方法は、日々研究する必要があると思う。

「頑固なシニア」はただのバイアス

 そういった意味では、電話は怖くないシニアも、他の不慣れなデジタルツールなどは苦手意識を克服するチャレンジ精神が必要になる。  シニアはITやデジタルが不得意なのではないか、と考える人もまだ多いが、それはただの先入観だ。今の60代はすでにスマホもパソコンも使える世代で、新しいことにも積極的だ。  とはいえ、私もシニア採用を始めるまでは、「頑固で言うことを聞かないのではないか」と思っていた。しかし、実際に採用してみると、そんなことはまったくなく、70代でも若手に混ざってトップレベルに活躍する人もいた。  もちろん、中には頑固な人や、こちらの言葉が伝わりにくい人もいたが、それは若手でも一定数いる。シニアはむしろ、様々な会社で組織に所属すること自体に慣れている分、淡々と仕事に打ち込む姿勢の人が多く、即戦力になりやすいことも含めて、会社にとっては価値が高いはずだ。
50代以上のシニアに特化した転職支援を提供する「シニアジョブ」代表取締役。大学在学中に仲間を募り、シニアジョブの前身となる会社を設立。2014年8月、シニアジョブ設立。当初はIT会社を設立したが、シニア転職の難しさを目の当たりにし、シニアの支援をライフワークとすることを誓う。シニアの転職・キャリアプラン、シニア採用等のテーマで連載・寄稿中
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